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大通りへ消えていく2人の背中を
暫く呆然と見つめていると
彼は何も言わずにわたしの手を取り助手席へと促した
紫耀「ごめんね。先に帰れって言ったんだけど」
A「……うんん。別に大丈夫」
運転席へ座り、一息ついた彼はそう言うと
わたしの泣き腫らした顔を真正面に見つめ
心配そうに眉を寄せて、切なげな目をした
そしてゆっくりと…
身体がこちら側に近づいてきて
彼の腕が頬に向かって伸びてくると
彼の右手が…ふいにわたしの頬を包んだ
それは温かくて
傷を優しく癒してくれるみたいなのに
それに反して触れられたそこは…ヒリヒリと熱を持つ
お互いに言葉はなく
ただ…彼の瞳の引力に引き寄せられるように
見つめ合った
でも…このままずっと触れていて欲しいと
そう思うくせに
わたしは彼のまっすぐな瞳に耐えきれなくなって
目を逸らしてしまう
そんなわたしに彼は、僅かに微笑んで
その手をゆっくり頬から離した
紫耀「あの2人、うちのメンバーでさ。
海人と、神宮寺っていうんだけどわかる？」
A「…なんとなく」
紫耀「本当はまだあいつらにAさん会わせたくなかったのになあ。狙われたら困るから」
A「…やめてよ笑 そんなことあるわけないから大丈夫」
紫耀「………わかってないな」
わたしの返答に
横で、小さなため息を漏らした彼
紫耀「Aさんもあいつらのことかっこいいって思ったでしょ」
A「…まあ、それは誰がみても思うんじゃないかな」
紫耀「ダメだから」
A「…え？」
ちょっと食い気味に
ちょっと強めに
わたしの言葉に被せるようにそう言って
紫耀「俺以外、見んの禁止だから」
いつのまにかダッシュボードから出された
"Aさん専用にするわ"と言っていたあの帽子を
ぽすっ…と、まるでわたしの視界を遮るように少し強引にわたしの頭に被せた彼
それと共にずん…と、動く心臓
被せられた帽子を戸惑いながら手で押さえ
彼が今どんな顔してるのか気になって横目でじっと確認すると
彼はもうこっちを向いてはくれなくて
ハンドルに片手を掛ける横顔が映るだけだった
そして、静かな車内に
紫耀「ねぇ、ドライブしない？」
そう、ハスキーな声が響いて
彼はわたしの返事も待たず
狭い路地で器用に車を切り返すと
夜の街を走り出した
．
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たむ - めちゃくちゃ面白くて引き込まれました！！これを楽しみに仕事頑張ります！！更新される事を待っています(>_<) (2021年7月4日 3時) (
レス) id: 7855f798e1 (このIDを非表示/違反報告)
サンリオ(プロフ) - 更新されていて嬉しいです。ありがとうございます (2020年3月14日 16時) (レス) id: ff278406bf (このIDを非表示/違反報告)
ラピス(プロフ) - 初めまして。読ませて頂きました。確かにきっかけは何でもいいとおもいますよね。人を好きになるって力をくれますが…切なさとかもあったりして色んな感情を与えてくれたりしますよね。お話し楽しみにしてます。 (2020年3月14日 11時) (レス) id: a9f033db9b (このIDを非表示/違反報告)
Azuki(プロフ) - 初めまして。更新ありがとうございます！素敵なお話で楽しみにしていました。続きもとても気になります！応援しています。 (2020年2月27日 20時) (レス) id: 8005b02827 (このIDを非表示/違反報告)
わわ(プロフ) - みゆさん» コメントありがとうございます！！更新がんばります！ (2020年2月2日 21時) (レス) id: 1ed40d5049 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わわ | 作成日時：2020年1月25日 19時
