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お昼休みの会社のテラス
冬の冷え切った風が時折身体を冷やすこの場所は、お昼休みでも誰一人いないくて
柵にもたれ掛かり手にしたのは
数字の並んだ一枚の紙
こうして時折眺めては番号まで入力し、発信ボタンを押そうとして
でも結局、掛けられずに
もう…２週間が経っていた
A「……はぁ」
つい零れたため息
「なにしてんの？」
A「えっ！？！ びっくりした」
同期の山田くんに突然声をかけられ、咄嗟に紙をポケットへしまう
山田くんは仕事もできて、おまけに人懐っこくて、高身長に整った容姿
社内ではちょっとした有名人だった
彼とは研修のグループが一緒になったことがきっかけで、今でも時々飲みに行ったりする仲で
お互いに心を許している、大事な仕事仲間
山田「こんな寒いとこで1人でため息なんてついてどうしたの？最近元気ないし」
A「…そんなことないよ。仕事が忙しくて、疲れてるだけ」
山田「ふーん。ならいいけど」
A「…うん」
山田「恋でもしてんのかと思ったわ」
それは、意外すぎた言葉で
自分がそんな風に見られていたことが恥ずかしくて、冷静を装うのに必死になる
A「…なっ、何言ってんの。そんなわけないでしょ」
山田「ならよかった」
山田くんはいつになく真面目そうな顔をしてほっとしたように笑うから
変な感じ
A「なにそれ笑」
山田「まだ俺にもチャンスあんだなーって思ってさ」
山田くんとは仕事仲間のそれ以上でも、それ以下でもないことはお互いが同じだから
彼がこういう類の冗談でふざけるのは、いつものことで
A「まったく。またそうやってふざけないで笑
…もうわたし、恋愛なんてするつもりないし」
山田「ふざけてないのになぁ笑
もうAは仕事に生きるんだっけ？笑」
A「そう。仕事に生きるの」
そう…
もう、恋愛なんてしない
裏切られるのも、傷つくのも
もう嫌だから
元彼に別れを告げられてからわたしはそう決意していた
山田「また今度、飲みに行こうよ」
A「そうだね」
そんな口約束をしてお昼休憩が終わり、また仕事にもどった
仕事が最近忙しいのは本当のことで
デスクに帰ると仕事の書類が山積みになっていた
でも今は仕事に没頭できた方がよかった
少しでも油断すれば
彼の温度を思い出してしまうから
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たむ - めちゃくちゃ面白くて引き込まれました！！これを楽しみに仕事頑張ります！！更新される事を待っています(>_<) (2021年7月4日 3時) (
レス) id: 7855f798e1 (このIDを非表示/違反報告)
サンリオ(プロフ) - 更新されていて嬉しいです。ありがとうございます (2020年3月14日 16時) (レス) id: ff278406bf (このIDを非表示/違反報告)
ラピス(プロフ) - 初めまして。読ませて頂きました。確かにきっかけは何でもいいとおもいますよね。人を好きになるって力をくれますが…切なさとかもあったりして色んな感情を与えてくれたりしますよね。お話し楽しみにしてます。 (2020年3月14日 11時) (レス) id: a9f033db9b (このIDを非表示/違反報告)
Azuki(プロフ) - 初めまして。更新ありがとうございます！素敵なお話で楽しみにしていました。続きもとても気になります！応援しています。 (2020年2月27日 20時) (レス) id: 8005b02827 (このIDを非表示/違反報告)
わわ(プロフ) - みゆさん» コメントありがとうございます！！更新がんばります！ (2020年2月2日 21時) (レス) id: 1ed40d5049 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わわ | 作成日時：2020年1月25日 19時
