・ ページ4
2/2
「かわいがらな!とは思っとったんやけど、長尾ちゃんも私もお互いに相手の出方見るタイプやん?どうしていいか分からんくて。」
「そういえば、二人とも慣れたらウザいくらい絡むくせに、始めはめちゃくちゃ他人行儀やったな。」
「ウザいとか言いつつ絡みに行ったら喜ぶくせに。」
「喜んでへんわ。」
丈くんはいつも、ひとこと余計やねん。
ツンデレおじさん可愛いからいいけど。
「どんなお姉ちゃんやったら長尾ちゃんが心許してくれるんかなーて、軽蔑されへんか心配で怖かったんよ。」
当時の気持ちを話したら、和也くんが優しい顔して頭を撫でてくれた。
こういう時、お兄ちゃんやなぁて思う。
「Aの気持ちも分かったやろ?謙杜も機嫌直したり?」
和也くんの声かけに、そっぽを向いていた長尾ちゃんがこっちに寄ってくる。
私の前まで来ると、目線を合わしてこう言った。
「僕、入所した時、Aちゃんのことずっとかっこいいって言うてたんやで?」
「うっそ?!」
思わず周りのお兄ちゃん方を見ると、うんうんと頷いている。
「そ、そんなん一回も言われたことないんやけど?」
「あ、それは丈くんが、調子乗るから言わんほうがええで、て。」
「おい、丈くん。」
知りませ〜んみたいな顔してるけど、絶対後で文句言うたる。
「あの頃のAちゃん、だいぶお姉さんに見えてたもん。ダンスもガシガシ踊って歌も上手くて、あの頃はほんまかっこよかった。」
「しっかり"あの頃は"て付けるやん!今は?!」
長尾ちゃん、それ地味に痛いです。
さめざめと泣き真似をしたら、顔を覆っていた手を取っ払われて、そのままギュッと握られた。
「今は」
「今は?」
「かわいい女の子になってもたから。」
丈くんと和也くんの「ひゅーひゅー」て冷やかしが聞こえる。
ちょっと、お兄ちゃんたち、さぶいわ。
さぶいのに、顔熱い。
長尾ちゃん、キラキラなお目目で見つめられて、そんな真っ直ぐなこと言われたら、
「無理ぃぃぃ!!!!!」
なにわの楽屋から一目散に逃げました。
そのままAぇの楽屋に駆け込んだら、大晴に「顔赤ぁ!」て笑われたから、「福本団の教育ちゃんとして!」て叱っといた。
.
362人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
三十谷みそ(プロフ) - くまさん» くまさん読んでいただいてありがとうございます!「中距離恋愛」はその次の「今日も今日とて…」とセットのお話ですが、その続きまでは考えていませんでした。。すみません!でも大ちゃんとのすれ違いは書いてて楽しかったので、いつかシリーズ化できれば…! (2022年2月21日 23時) (レス) id: 0083c24134 (このIDを非表示/違反報告)
くま - 主様のお話いつも読ませて頂いてます!中距離恋愛の続き楽しみにしています! (2022年2月21日 0時) (レス) id: 0f63c42052 (このIDを非表示/違反報告)
三十谷みそ(プロフ) - 葉乃さん» 西畑には流星か大橋くんに背中押されてがんばってほしいです(笑)あ、やっぱり!読み方でHano.さんかな?と思いました!新アカウントでも読んでもろてありがとうございます! (2022年2月18日 18時) (レス) id: 0083c24134 (このIDを非表示/違反報告)
葉乃(プロフ) - 女の子と西畑くんやっぱりすれ違ってんじゃん!!小出しじゃなくて丸出しでいけよ!さっさとくっついてくれんとこっちがもどかしい!!あ、色々あってアカウント変えたんですけど、Hano.です!みそさんの書く文章大好きなので、これからも頑張ってください! (2022年2月18日 0時) (レス) @page48 id: 6481b17959 (このIDを非表示/違反報告)
三十谷みそ(プロフ) - Hano.さん» 切ないの好きなんですよ〜!あぁぁ…て苦しくなりながら書いてます(笑)Hano.さんのコメントめちゃくちゃ嬉しくて、いつも励まされてます!ありがとうございます。 (2021年11月22日 19時) (レス) id: 0083c24134 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:三十谷みそ | 作成日時:2021年8月5日 23時