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眠気以外はある程度しっかりしているようで
俺らが話しかければ返事はするし
特に問題なく一人で歩いていた
から油断した
電車に乗り込んでまたもや爆睡するAの横で
知念と話し、手前の駅で知念が降りる
その後、俺が降りる駅の手前で起こしたものの
「…山田だぁ」
寝ぼけているのか？という返事しかせず
明らかに酒が抜けている様子ではない
何度も揺さぶるけれど
ふにゃふにゃした態度は変わらず
終電までまだ一本あるからと
とりあえず俺の駅で降りてベンチに座る
山「A〜？起きて？」
「起きてるぅ」
言葉ではそう言うけれど
語尾は伸びているし
意識がはっきりしているとは思えない
何より俺にこんな態度なのは明らかにおかしい
どうしたものかと頭を抱えていると
体を包み込む違和感
…抱きつかれてる！？
まるで抱き枕のように
俺を抱きしめて気持ちよさそうに目を閉じている
こんな現状で正常な判断なんかできるわけなくて
さらには終電到着のアナウンスが駅に流れる
この電車が出るまでにきっちり起こすなんて不可能に近くて
俺は諦めてAの肩を持って歩き出した
終電を逃した今
もうどうしようもないし
もうどうにでもなれ！という気持ちで
家まで連れて帰る
駅近の物件に住んでいると言えど
エレベーターを待ったりとそれなりの時間歩いて
俺の腕は限界
玄関に着いた途端
肩から滑り落ちるようにAの腕が抜けて
重たい音を立てて座り込んだ
それと共にAの目が開く
…やばい！
「山田ぁ？」
山「いや、これはちがくて…！
連れ込んだとかそういんうんじゃ…」
酔って男の家にいるというのに
それに気づいていないのか
へへへ、と少女の様に笑う
意識があるのか不明だが
とりあえず冷静を装って会話をすすめた
山「まだ酔ってる？大丈夫？」
返事も確認せずに、靴を脱いで
キッチンから水をもってくる
山「飲み過ぎだぞ、水飲む？」
差し出された水と俺を交互に見て
独り言のように呟く
「んなわけ…むむ…夢か…」
山「夢じゃないから」
「ふふ…」
山「とりあえず上がれよ」
声をかけても動く様子はなくて
ずっと機嫌は良さそうにニコニコと笑う
コイツの彼氏になるヤツは
こんな姿毎日のように見れるのかな
今もいないなんて保証はないけれど
少なくとも今、この瞬間は俺が独り占め
つられて俺も頬が緩んだ
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裕莉(プロフ) - 相川あゆさん» コメントありがとうございます！亀更新で申し訳ないですが、ラストはある程度早めに書き起こせると思うので最後までお付き合いいただけると嬉しいです。 (2021年8月28日 22時) (
レス) id: 8affa1dc54 (このIDを非表示/違反報告)
相川あゆ - 楽しみにしています (2021年8月28日 16時) (レス) id: ea882a5465 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：裕莉 | 作成日時：2021年8月14日 0時
