愛されてる人by原口 ページ10
球場に行くバス。
隣の席にはウメ。
梅「さっきは、大変だったな」
原「あぁ…」
移動は基本、チーム全員。
だから新幹線の時も、例の先輩たちはいた。
Aさんと分かれてからホテルまでの間、バスの席は隣も前も後ろも…。
周りを全部、知ってる限りのフルメンバー。
ただの世間話だけだったけど、プレッシャーみたいなのは若干感じた。
梅「気を付けときや」
原「ああ、そうする」
正直なところ気にしてないけど、ウメのアドバイスだから、頭の隅にでも入れておく。
◆◇◆
練習は、いつも通りの2本立て。
全体練習と相手対策メニュー。
終盤ごろから、急に先輩が張り切りだした。
監督に熱が入ってきたから、先輩も呼応したんだろうって思ってたけど…。
揃いも揃って、監督の眼を盗んで3塁側のダッグアウトに見ることが多くなった。
僕もちょっとだけ見てみると、報道陣に紛れてAさんがいる。
誰よりも、ひと際栄えていてキレイだ。
見てくれてると思うと、やる気が沸いてきた。
◆◇◆
練習が終わって引き上げる…。
そんな少しの時間でも、先輩たちはAさんと接触する。
西「髪の毛、下ろしてるやん！」
「たまには、違う髪型をしてみようと思って。どうですか？」
西「大人びてええ感じやな」
良「俺は、どっちも好きやな」
「うにゃぁぁぁああ！やめてくださーい！」
今「良太さん、ホント、がさつ」
「大和さん！やっぱり、ダメです！」
大「じゃあ、ムリやな」
「他に、新井さん対策はありませんか？！」
上「受け入れるしかないんじゃない？」
「マジですかー…」
能「もーええから、渋滞してんねんけどー」
鳥「早く行ってくれ」
篤史さんとトリさんが、集まってる人たちを押して先に行かせる。
かと言って、この2人も一緒に引き上げるワケじゃない。
〈渋滞〉は、ただの口実だ。
鳥「晩ごはん、一緒に行かないか？」
「あぁ、ごめんなさい。お仕事があって…」
鳥「そうか。残念だな」
能「働きすぎとちゃう？無理したらあかんで」
「お気遣いありがとうございます」
こうやって、ライバルを抜いては自分の時間を作ろうと、それぞれが企んでる。
端から見ていると、結構面白い。
あの2人がいなくなったら、やっと僕の出番。
だけど、先輩たちの時間が長かったから、ミーティングが迫ってきてる。
原「18時ごろに、あの駅の、分かれた場所で」
「りょーかい。今日も一日ふぁいと！」
原「Aさんもね」
僕らは拳を合わせて、お互いの健闘を祈った。
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Quintet(プロフ) - ゆかさん» コメント、ありがとうございます。あちゃー、私のルーティンがバレてしまいましたね(笑)。あともう半日、あと数時間を過ごす一息になればと思っています。これからも、よろしくお願いします。 (2016年10月14日 16時) (
レス) id: 7f540aaaaf (このIDを非表示/違反報告)
ゆか - 毎日更新されるのが楽しみです！ 毎日4時過ぎにこのお話更新されているか見てしまいます。笑 これからの楽しみにしています！ (2016年10月12日 15時) (レス) id: c3eab76729 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Quintet | 作成日時：2016年10月4日 15時
