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はじめまして!by原口 ページ9

遠征のため、新大阪から新幹線で移動。
時間ちょうどに来た新幹線に乗り込んで、切符に示された座席に行く。

原「あれ、Aさん?」
「あ、原口くん!」

僕が座る隣の席に、Aさんがいた。

「ココなの?」
原「はい。隣、失礼します」

席に座って、キャリーonバックを前に置く。

原「お疲れさまです。お出かけですか?」

何で、〈お出かけ〉って言ったんだろ。
どう考えても、仕事だよな。

原「神宮にお出かけです。今回も同行です」

僕の言い回しで答えてくれるなんて、優しいな。
関西人だから、ツッコんでくるのかと思ってた。
先輩たちがAさんに熱を入れてるのも、晋太郎たちが興味津々なのも知ってる。

「こうやって会うの初めてやね。会っても、ハイタッチぐらいやったし」
原「ええ。練習も見に来られてるんですよね?」

噂によると、Aさんは試合前の練習を見に来てるらしい。

「うん。でも、原口くんは隙がないから、話しかけにくくてね」

練習の時は集中して、周りのことなんて分からないから、Aさんが来てることは噂でしか知らない。
さすがに、ジャイアンツの時は気付いたけど…。

「練習が終わっても集中してるから、話しかけにくいんよね」

さすがに、その時はリラックスしてるんだけど…そうは見えてないみたい。

「だから、今日はゆっくり話していい?」
原「もちろんです」

これでようやく僕も、Aさんと話せる。



◆◇◆



まずは、お互いを知ることから始まる。
1歳しか違わないこと、仕事を掛け持ちしてて今日は片方を休んでること、出張は契約に入ってないこと、インスタントコーヒーがいつもスプーン5杯なこと…。
僕が聞いたことを全部教えてくれて、ずっとニコニコしてる。
いつも退屈な移動が、今日は格段に楽しい。
…でも、東京までの2時間半は、あっという間。
時間がいくらあっても、話し足りない。

原「良ければ、一緒に晩ごはんどうですか?」
「私は大丈夫やけど、原口くんは大丈夫?」
原「ミーティングが終わったらフリーですから」

駅の改札を出れば、僕たちは分かれる。
Aさんは、広報の営業で外回り。
僕は、バスでホテルに寄ってから球場に行く。

「練習見に行くから、気付いてね」
原「…努力します」
「ふふっ。じゃあ、またあとで」

笑ったAさんは、手を振ってくれて、颯爽と人込みの中に消えていった。
笑顔は可愛いし、仕事になるとカッコいい。
才色兼備って、こういうことを言うんだろうな。

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Quintet(プロフ) - ゆかさん» コメント、ありがとうございます。あちゃー、私のルーティンがバレてしまいましたね(笑)。あともう半日、あと数時間を過ごす一息になればと思っています。これからも、よろしくお願いします。 (2016年10月14日 16時) (レス) id: 7f540aaaaf (このIDを非表示/違反報告)
ゆか - 毎日更新されるのが楽しみです! 毎日4時過ぎにこのお話更新されているか見てしまいます。笑 これからの楽しみにしています! (2016年10月12日 15時) (レス) id: c3eab76729 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Quintet | 作成日時:2016年10月4日 15時

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