余裕がなくなるby鳥谷 ページ44
「すいません、バランスを崩しちゃって」
見上げてくるAは、また苦笑いしてる。
もう、わざとにしか思えない。
沸き上がってくる想いの反動を、俺を惑わす仕返しと一緒にAに届ける。
鳥「しっかりしろよ」
耳元で囁いて、息を吹きかけた。
「ひぃっ…！」
Aは逃げだそうとして、俺の身体を両手で押すが、俺は許さない。
鳥「どうした？」
「ホントにすいませんっ！」
腕に力を入れて、しっかりとホールドする。
もがくAは必死で、それがまた可愛い。
鳥「何が？」
「耳だけは…！」
鳥「じゃあ、ココは？」
耳のついでに、今度は脇腹。
ついさっき、言ってた弱点に手を持ってくと、Aの手が重なった。
「ホンマにやめてください！」
俺の手を押し外そうとするが、何せ力が弱いから、お望み通りには外れない。
鳥「どうしようか？」
「ちょ…鳥谷さんっ！」
顔を上げてAを見ると…。
鳥「顔、真っ赤」
「だって、鳥谷さんが！」
真っ白な肌に、真っ赤な頬。
しかも、ちょっと眼が潤んでる。
はっきり言って…最高だ。
「もう離して！」
Aの押す力が強くなる。
充分楽しめたから解放しようと腕の力を緩めた途端、Aは俺の中から脱出して相当な距離を取った。
「やっと脱出できた…」
そして、肩で息を切りながら、俺を睨む。
「やめてくださいって言ったやん！」
鳥「俺Sだから、A見てると苛めたくなる」
「はぁ！？何言ってるん！？」
そう言われても、そのままの意味だし。
てか、Aの地が出てきた。
見るのは2回目。
何度見ても《おもろい》。
鳥「だって、可愛いから」
「可愛くないし、そもそも苛めたくなるって何やねん！」
鳥「そのままの意味だけど」
「はぁ！？意味分からん！」
頬は余計に紅くなってるし、興奮して汗も滴り落ちてる。
これがみんなの言う、照れ隠しか。
鳥「大阪弁も可愛いな」
「言わんといて！」
――ぱちんっ――
急に音が鳴ったと思ったら、Aのまとまった髪が広がった。
ヘアゴムが切れたらしい。
「切れたん？！縁起悪っ！」
ストレートの黒髪が、腰まで下りている。
髪の長さは想像以上で、ゴムが切れたことよりも驚く。
「鳥谷さんのせいや！」
鳥「なんでやねん」
生活の一部になったツッコミを入れると、Aが笑顔になる。
「さすが、ナイスタイミングですね」
鳥「住んで長いから」
離されていた距離を縮め、Aの髪に触れる。
それはとても艶やかで、柔らかかった。
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Quintet(プロフ) - ゆかさん» コメント、ありがとうございます。あちゃー、私のルーティンがバレてしまいましたね(笑)。あともう半日、あと数時間を過ごす一息になればと思っています。これからも、よろしくお願いします。 (2016年10月14日 16時) (
レス) id: 7f540aaaaf (このIDを非表示/違反報告)
ゆか - 毎日更新されるのが楽しみです！ 毎日4時過ぎにこのお話更新されているか見てしまいます。笑 これからの楽しみにしています！ (2016年10月12日 15時) (レス) id: c3eab76729 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Quintet | 作成日時：2016年10月4日 15時
