リップとお守りby私 ページ17
諸々の仕事をしてたら、あと45分ほどで試合が始まるところやった。
ロッカールームに行く途中、グラウンドに向かう皆さんと遭遇する。
西「いっちょ、打ち負かしてくるわ！」
「はい！力まずにファイトです！」
皆さんと気合の拳を交わしていると、最後にふみくんが来た。
後には誰もいないし、タメで話せそう。
「昨日はありがと」
原「こっちこそ。今日は見てくれる？」
「うん。バレンティンさんには、気ぃ付けてね」
あの人は、捕手2人を病院送りにしてる強敵や。
原「りょーかい。あ、パ…」
ゴ「ヘイ、A！」
――どんっ――
ふみくんの声に、正真正銘のパピーの声が被ったと思ったら、後ろから衝撃が来た。
原「大丈夫？！」
ふみくんがおったからコケけんかったけど…。
腰がめっちゃ痛い！
振り向けば、パピーがニヤニヤしてる。
「もう！何でいっつもしてくるんよ！」
ゴ「A＝ヒップアタック」
「何やねん、その公式！許可した覚えないわ！」
パピーは笑って、肩を叩いてきた。
あかん…。
通訳さんがおらんから、通じてへん。
怒りが一気に冷えたわ。
ゴ「ガンバル」
「うん、頑張ってね」
パピーとも拳を突き合わせて、背中を見送った。
原「Aにだけ、本気のヒップアタックだな」
「えぇー、マジでー」
もー、溜息出るわ。
ふみくんを見ると、苦笑いしてる。
「ホンマ、ごめん。痛くなかった？」
原「大丈夫。俺、タフだから」
「知ってる。城島さんのお弟子さんやもんね」
原「弟子なんて恐れ多いよ」
色んな解説者が言ってるけど、ふみくんは前にいた城島さんにそっくり。
入団した時から城島さんに師事して、ノウハウを学んだんやって。
そりゃあ、師事しとったらそーなるわ。
城島さんトークで盛り上がってたら、私は気付いてしまった。
「ちょ、ごめん！」
原「え？何？」
ふみくんのユニホームを掴んで、胸元を見る。
白色に、薄っすらピンクが栄えてる。
やってもうた…。
「リップ、付いた…」
原「リップ？…ホントだ」
今日TV中継あるし、大ピンチやん。
「まだ時間あるから、着替えて…」
原「いいよ。このまま行く」
「はぁ？！」
笑ってる場合とちゃうって！
「今日、中継あるから！」
原「大丈夫。お守りにする」
ふみくんが拳を催促してきたから、仕方なく合わせる。
「…ホンマに気ぃ付けや」
原「分かってる。じゃ、応援よろしく！」
ふみくんは、ホンマにそのまま行ってしまった。
TVはともかく、皆さんにはバレるやろ…。
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Quintet(プロフ) - ゆかさん» コメント、ありがとうございます。あちゃー、私のルーティンがバレてしまいましたね(笑)。あともう半日、あと数時間を過ごす一息になればと思っています。これからも、よろしくお願いします。 (2016年10月14日 16時) (
レス) id: 7f540aaaaf (このIDを非表示/違反報告)
ゆか - 毎日更新されるのが楽しみです！ 毎日4時過ぎにこのお話更新されているか見てしまいます。笑 これからの楽しみにしています！ (2016年10月12日 15時) (レス) id: c3eab76729 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Quintet | 作成日時：2016年10月4日 15時
