君に魅せられてby良太 ページ8
球場を出たら…。
Aちゃんが、両腕を上げとらんでいた。
荷物まで置いて…大胆すぎる。
パクられたらどうすんだよ。
「あ、新井さん!お疲れさまです」
Aちゃんは、笑顔だが元気はない。
一日中、取材されっぱなしじゃったけぇな…。
まぁ、無理もないわ。
良「帰るなら送ったるわ?」
「いいんですか?!お願いします!」
眼がキラキラしとる。
こがいなトコはいつも通りだが、やっぱり疲れとるのぉぁ。
珍しゅう、眼の下に隈が出来とる。
ご飯でも誘おうか思うたが、また今度にしよう。
◆◇◆
家を教えてもろうて車を走らせてるが、助手席のAちゃんは眠たそう。
良「寝とき」
「ホントです…ZZzzz」
そう言った瞬間、Aちゃんは寝息を立て始めた。
◆◇◆
マンションの前に着いたが、問題が発生。
Aちゃんが、全然起きん!
良「Aちゃーん、着いたよー」
声を掛けても、揺さぶっても、起きてくれん。
完全に熟睡しとる。
寝顔見たが、ぶち気持ちよさそう。
良「起きんな…」
夜更け、アパート前の路上駐車、助手席に寝とる女…。
早々にケリをつけにゃあ、通報される。
良「部屋はー…」
思い浮かんだなぁ、Aちゃんを抱えて部屋まで送りたえること。
…だが、部屋が何処か知らん。
このご時世、絶対、不審者に間違われる。
残念だが、却下するしかない。
良「はぁ…仕方がないな…」
わしはアクセルを踏んで、最終手段を実行することにした。
◆◇◆
最終手段――そりゃ、わしの家に泊らせること。
抱えたAちゃんを、寝室に連れて行って、そっとベッドに寝かせる。
布団をかけようとしたら、Aちゃんが唸った。
「んん…」
手を止めて、息をひそめる。
Aちゃんは寝返りを打っただけで、それ以外は何もなかった。
ルームランプを点けて、ベッドサイドに座って、好きな娘の顔を見る。
Aちゃんが、わしのベッドで、無防備に気持ちよさそうに寝とる。
頬を触ってみると、ぶち柔らかい。
元々白いのに、そこに柔らかさがプラスされたら、離せんよなるじゃろうが。
君が愛おしい。
もっと触れたい。
もっと感じたい。
感情が駆け巡り、行動に移そうとする。
良『ダメだ!』
湧いた衝動を押し留め、俺を引き寄せてくるAちゃんから離れた。
良「おやすみ」
ほいで、部屋のドアを閉める。
あっぶのぉ…。
あのまま動いとったら、どうなっとったことか…。
わしゃドアにもたれて、大きゅう息を吐いた。
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Quintet(プロフ) - リンさん» コメント、ありがとうございます。「伝統の一戦」は私も書いていて、楽しかったパートです。いつの間にか、鳥谷さんにすり変わっちゃいましたが(苦笑)、能見さんにツボっていただけるとは…ありがとうございます!引き続き、『Happy Everyday』をよろしくお願いします。 (2016年8月31日 15時) (レス) id: 7f540aaaaf (このIDを非表示/違反報告)
リン(プロフ) - ヒロインちゃんを巡る阪神vs巨人のやり取りが面白かったです〜。個人的には嫌な笑みの能見さんがツボでした← (2016年8月30日 15時) (レス) id: 28ba078f17 (このIDを非表示/違反報告)
えり - コメント返し、ありがとうございます!私自身野球やってたんです。怪我でやめたんですが^^;阪神、ヤクルト、日本ハム好きで。転勤で住んでた場所のチームです。ずっと応援させてくださいね(*^^*) (2016年8月18日 16時) (レス) id: 4c6f302957 (このIDを非表示/違反報告)
Quintet(プロフ) - えりさん» はじめまして、えりさん。コメント、ありがとうございます!オモロイと言っていただけて、ホントに嬉しいです。書く甲斐があります!メンバーが増えて大変ですけど、これからもオモロイと思っていただけるように頑張ります。陰ながらでいいんで、応援お願いします♪ (2016年8月18日 15時) (レス) id: 7f540aaaaf (このIDを非表示/違反報告)
えり - 初めまして。いつも楽しみに読ませていただいてます。主人公ちゃんをめぐる阪神vs.巨人めっちゃオモロイです(笑) (2016年8月17日 15時) (レス) id: 4c6f302957 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Quintet | 作成日時:2016年7月27日 14時