Happy Everyday 2nd.

わっしょい！by上本 ページ43

能「運んでー」
西「はいはーい！」

カウンターにある山盛りサラダ2皿を、剛さんが真っ先に取りに行った。

西「めっちゃ美味そう！」
「食べないでくださいよー？いただきますしてからですからね！」
西「そんなん分かってるって」

あの口調…完全にガキ扱いしとる。
わしも料理を取りに行くと、土鍋と厚手の鍋掴みを渡された。
ふたの小さい穴から、あの匂いが漂うてくる。

上「もしかして、肉…」
「しーっ。まだ開けないでくださいね。皆さんの前で、お披露目しますから」

Aちゃんは、人差し指を唇に当てて笑うた。
…ぶち可愛い。



わしが運んだけぇ以外にも料理が運ばれて、ローテーブルがパンパンになる。
ようも、こがいな山盛りの料理を作ったな…。
個人が作るレベルと違うやろ。

「ヤバいですね、この量！」
今「〈リョウボ〉になれるじゃん！」
「ん？古墳ですか？」
西「…そっちとちゃうわ」

興奮しかかっとった空気が、ええ意味でクールダウンした。

能「みんな、座り。始めんで」

篤史さんが、冷やしとったビールを2パック持ってきた。

能「Aはココな」
「はーい！…あ、もう1コ持ってきますね！」

Aちゃんの席は、みんなが見えるど真ん中。
それ以外は、何も決まっとらん。
じゃけぇ、Aちゃんがキッチンに行った途端、座席争奪戦が始まる。

鳥「ナリと大和は端な」
今「冗談じゃないんすか、それ」
西「俺、ココー！」
良「わしはココ」
上「じゃあ、ココもらいます」
鳥「俺も端でいい」
西「あー、珍し！何か企んでるんでしょ？！」

口は動いても、動きは一瞬。
こがいな席順に落ち着いた。


今成 西岡 A 能見
大和 上本 良太 鳥谷


「こう見ると、飲み屋さんですね」

また鍋を持ったAちゃんが、帰ってくる。
どんだけ用意してんだ？

能「音頭はAな。ちゃんと、とってや」

ビールが配られて、ふたも開けて準備万端。

「はい！では…皆さん、お疲れさまでした！わっしょい！」

音頭がちいと独特で、空気が止まってしもうた。
何で、〈わっしょい〉になるんや？

「あれ？おかしいですか？」
鳥「円陣じゃないからな。言ってくれないと、タイミングが取りづらい」
「そういうことですか。…じゃあ、皆さん！〈わっしょい〉でいきますんで、お願いしますね」

今度こそ、みんなが構えて、仕切り直す。

「お疲れさまでした！わっしょい！」
「「「「「「「わっしょい！」」」」」」」

缶がぶつかって、宴が始まった。

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