Happy Everyday 2nd.

胃袋を制するby大和 ページ42

ナリが鍋を開けた瞬間、ふわっと肉じゃがん香りが襲うてきた。
こん香りからして、絶対美味かに決まっちょる。

大「味見するか」
今「もちろん！」

ナリがまた、皿に肉じゃがを乗せっ。
全部ん具を入れたで、ちょっと小盛りになったが…こりゃ味見。
たかが味見、されど味見。
じゃ、いただっ！

大「…うまい」
今「やっぱり？！俺も…」
「こら、泥棒さん！」

皿を渡したところで、Aちゃんにバレた。
すぐ隣で、手を腰に当てて、仁王立ちしちょる。

「つまみ食いはダメですよ！」
今「違うよ。味見だって」
「その量、どう見ても味見じゃないでしょ！」
大「てか、いつからそこに？」
「ミネストローネから」

最初っからや…。
全然、気付かんかった！

大「気配、消せるんか？！」
「よく言われますけど、私は気配出してますから。皆さんが気付かないだけです」
今「ウソだー！」
「ウソじゃありません！ほら、泥棒さんは大人しく、帰ってください」

キッチンに立ったAちゃんな、一気に強うなったような気がすっ。
ぎぎと背中を押されて、そこから追い出された。

「能見さん！皆さんを入れないでくださいね！」
能「りょーかい。飲みもんだけ、入れさせてな」

篤史さんがキッチンの入口をふせで、飲み物を冷蔵庫に入れていっ。
それを見ながら、おいら6人は部屋ん隅に集合。

良「Aちゃん、強いわ」
鳥「お前ら、メシ食わなくていいぞ」
今「そりゃあナシっすわ！」



◆◇◆



味見事件により、ごはんまでん間、キッチンは立ち入り禁止。

西「あー、美味そうな音！」
能「手ぇ止めとらんと、早よ動かし」

篤史さん主導でセッティングをしちょる中、ずっと揚げ物ん音が聞けちょる。

「能見さーん、紙皿持ってきてくださーい」
能「銀色のヤツー？」
「そーでーす！」

料理に関して、完全に主導権を握られた篤史どんが、銀色ん大きな紙皿を持って、キッチンに消えていった。

西「何で俺の家やなかったん！？あーやって、いちゃいちゃできんのに！」

剛さんが、盛大に悔しがっちょる。

大「だからっすよ。何するか分かんないですし、家に入れてくれなさそう」
西「当り前や。何でお前らを入れなあかんねん」

ほら、やっぱり。
それじゃ、飲み会にならんじゃろうが。

鳥「ナリ、ナイスチョイス」
今「でしょでしょ？だから、メシの件はなかったことに！」
鳥「その代わり、席は端だからな」
大「席替え、要求します」
良「お前ら、早くせい。俺ばっかりやっとる！」

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