Happy Everyday 2nd.

安定剤by7人 ページ29

【鳥谷side】

「今日も１日ファイトです！」

Aが拳を突き出したから、俺も合わせる。
拳を合わせるのは、気合を入れるため。
俺たちの間では、すっかりおなじみだ。

鳥「Aもな」
「もちろんです。今のその顔、素敵ですよ」

Aの方が、どれだけ素敵か。
今だって、はにかんだ笑顔の虜になってる。
Aの拳を降ろして、さらに顔を近づけた。

「ん？」

恥じらうこともなく、ただ眼を丸くさせる。
鼻が触れそうな距離なのに、何も思わないのか。

「何か付いてます？」

あぁ、キスしたい。
湧いてきた欲望を抑えて、抱き寄せた。

鳥「ありがとな」
「い、いえ…」

Aの息遣いが少し変わった。

鳥「どうした？」
「あ、あの…できたら、耳元で話さないでいただけますか？」

もしかして…。


――ふぅっ――


「ひぃっ…」

ビンゴ。

鳥「耳、弱いんだな」

息を吹きかけるように話せば、Aの身体がよじれる。

「わ、分かってるなら…」
鳥「ヤダ」

弱点を言われて攻めないヤツが 、何処にいる？
回してる腕に力を込めた。

鳥「聞いてくれ」

もう、遊びはここまでだ。
耳攻撃をやめて、声のトーンも変えれば、Aの動きも止まった。

鳥「俺は…」
西「はい、しゅーりょー！」



【6人side】

練習の片付けを若手に任せた6人は、鳥谷を追ってロッカールームの前にいた。
全員がドアに耳を当て、中の会話を聞いている。
鳥谷の機嫌が直ったは良かったが…

『ちょ…やめ…』

反対にAの声が色づき始めた。

良「これはダメやろ！」
上「突撃する？」
今「そうでしょ！」
能「剛、GO！」
西「はい、しゅーりょー！」

西岡を先頭にして部屋に突撃すれば、鳥谷がAを熱烈に抱き締めている。

今「こんなシーン、見たくなかったー！」

今成は見上げた挙げ句、目を手で覆った。
言葉通りの見たくない気持ちと、悔しい気持ちが入り交じっている。

大「とりあえず落ち着け、深呼吸しろ」



【鳥谷side】

また、邪魔が入った。

能「機嫌直ってんから、もうええやろ」
西「さすが、俺らの癒しやわ」

篤史さんと剛に、引き剥がされる。
ったく、空気ぐらい読めよ。

「鳥谷さん、またそんな顔する！せっかくのカッコいい顔が台無しじゃないですか！」

雰囲気をぶち壊しにされたんだ。
なるに決まってるだろ。
Aも、そういう意識を持ってくれよ。

能「ホンマやでー」
西「Aちゃん、サンキュー」

この2人抱えられ、部屋を出されてしまった。

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