伝統の一戦終章by阪神 ページ20
キャプテン交渉を終えた鳥谷が戻ってきた。
全員が鳥谷を中心に円陣を組み、Aも西岡と一緒にそこへ行く。
鳥「今日で、Aのレンタルが決まる」
鳥谷は、まだ不機嫌。
というよりも、すでにボルテージを振り切ってしまっていて、表情が今までに見たことないぐらい〈無〉になっている。
これを聞いたメンツも、表情が険しくなった。
能「何やそれ。モノ扱いやな」
良「本人の意向、ムシか」
「いやぁ、困りましたねぇ」
こんな状況なのに、Aの軽い声が響く。
「レンタル料を取らないとなると、負け損になっちゃいますね」
西「そこちゃうやろ」
すかさず西岡がツッコんだが、Aは笑って蹴飛ばした。
「んなこと、分かってますよー。私だって、もう向こうには行きたくありませんもん。だから…」
Aは円陣から踏み出して、全員の顔を見る。
「皆さんには、勝ってもらわないと困ります。私が賭けられる云々よりもまず、応援してくださるファンのために勝ってください」
Aの手が、中心に出された。
�癲屮侫．鵑△辰討遼佑蕕任垢�らね」
西「出た、俊の名言」
今「ホント、良いコト言うねぇ」
�盪魁∪床�、今成がそこに手を重ねると、他も自分の手を重ねる。
「多いし、暑っ…(でも、いい匂い)」
横「姐さん、緊張感持ってください」
梅「珍しく、まともなコト言ってる」
眼を合わせれば、モチベーションが増してくる。
――が、気合の一言が出ずに、微妙な空気が漂い始めた。
能「A、音頭とって。進まへんから」
「え？私ですか？鳥谷さんじゃなくて？」
西「こういうのは、言いだしっぺが言うもんや」
「そうですか？じゃあ…」
他からも言葉で、眼で、催促されて、Aは息を短く吐いた。
「今日も1日、頑張りましょう！わっしょい！」
『『『『『『わっしょい！』』』』』』
◆◇◆
数時間後、ゲームが始まった。
Aは関係者席で見守り、喜怒哀楽を惜しみなく表現していた。
試合は1点リードのまま、9回裏へ。
1アウト1・2塁、バッター坂本。
1打逆転サヨナラ危機。
守備陣形はダブルプレー。
センターには、大和が配置されている。
バッテリーは、完投目前の藤浪・梅野。
サインはすぐに決まり、藤浪は腕を振った。
――ぱぁん――
押し込まれたボールはショートに転がり、鳥谷から西岡、西岡からゴメスへの送球により、ダブルプレーが成立。
「よっしゃぁああ！」
練習時間から始まったA争奪戦は、ようやく幕を閉じた。
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Quintet(プロフ) - リンさん» コメント、ありがとうございます。「伝統の一戦」は私も書いていて、楽しかったパートです。いつの間にか、鳥谷さんにすり変わっちゃいましたが(苦笑)、能見さんにツボっていただけるとは…ありがとうございます！引き続き、『Happy Everyday』をよろしくお願いします。 (2016年8月31日 15時) (
レス) id: 7f540aaaaf (このIDを非表示/違反報告)
リン(プロフ) - ヒロインちゃんを巡る阪神vs巨人のやり取りが面白かったです〜。個人的には嫌な笑みの能見さんがツボでした← (2016年8月30日 15時) (レス) id: 28ba078f17 (このIDを非表示/違反報告)
えり - コメント返し、ありがとうございます！私自身野球やってたんです。怪我でやめたんですが^^;阪神、ヤクルト、日本ハム好きで。転勤で住んでた場所のチームです。ずっと応援させてくださいね(*^^*) (2016年8月18日 16時) (レス) id: 4c6f302957 (このIDを非表示/違反報告)
Quintet(プロフ) - えりさん» はじめまして、えりさん。コメント、ありがとうございます！オモロイと言っていただけて、ホントに嬉しいです。書く甲斐があります！メンバーが増えて大変ですけど、これからもオモロイと思っていただけるように頑張ります。陰ながらでいいんで、応援お願いします♪ (2016年8月18日 15時) (レス) id: 7f540aaaaf (このIDを非表示/違反報告)
えり - 初めまして。いつも楽しみに読ませていただいてます。主人公ちゃんをめぐる阪神vs.巨人めっちゃオモロイです（笑） (2016年8月17日 15時) (レス) id: 4c6f302957 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Quintet | 作成日時：2016年7月27日 14時
