Happy Everyday 2nd.

伝統の一戦第1章byALL ページ17

【Aside】

周りが巨人だらけや…。
ええ、そうです。
ラビットさんと大きい人を掛けてます。

てか、そんな場合とちゃうねん！
九州男児とか、チャラ男とか、陽気な関西人とか、何かいっぱい囲まれてる。
練習終わってんから、早よ帰ったらええやん！
私は、阪神の練習みたいねん！

助けてほしいねんけど…。
囲まれてるせいで、阪神の選手が見えへん！
頼みの綱になりそうな阿部さんもおらんし！
もぉー、めっちゃ怖い！
誰か、ヘループ！



【巨人side】

甲子園で見た、あの広報が来ている。
他球団選手がSNSで回してくる写真よりも、実物の方が断然良い。
ただ、態度が超ドライ。

「もう帰ってもらっていいですか？」
内「ホンマ、どーしたん？御機嫌ナナメやで」
坂「毛嫌いしてるやろ？」
「いいえ」
坂「やったら、笑ってや」
「解放させてくれたら、考えてあげます」

催促しても、笑ってくれない強硬姿勢。
それを見た村田の圧力――眼力が、特に最初から絡んでいる2人を責めた。

村「…」
坂「俺らは話してただけですよ？ねぇ？」
内「そうそう。何もしてないっすよ」

そんな中、このだだっ広いグラウンドに男の叫び声が響く。


「A、おすわり！」


『何だ、それ』と思うヒマも無く…。
Aが視界から消えた。



【阪神side】

能「A、おすわり！」

能見の一喝で、従順なAがしゃがみ込んだ。
そして、同時に藤浪が腕を振る。
ボールの球速は通常。
コントロールは上々。
あの中の誰かに当たれば、大成功。
かつ、打撲程度のため、試合には響かない。
バッテリーチームによる、キャッチボールに見せかけたささやかな攻撃だ。


――ばすっ！――


内「ったぁ…！」

ところが予想に反して、ボールは内海のミットに入ってしまった。

藤「当たらんかったわ」
梅「でも、ホントにしゃがみましたね」
能「だって、餌付けしとるから」
藤「されてるの間違いとちゃいます？」



【Aside】

能見さんが叫んだから、しゃがんでんけど…。
何あったん？
内海さんがミット構えてるし、ちょっと周りの選手がざわついてるやん。

内「能見さん、危ないやろ！」
能「俺ちゃうし。晋太郎やで」
梅「晋太郎。ちゃんと投げて」
藤「ごめん。すっぽ抜けた」

しかも、何かモメてる。
あ、これってチャンスちゃう！？
抜け出せるやーん！

宮「ん？何処行くの？」

――と思いきや、宮國さんに見つかった。
腕を掴まれて、向こうに行かれへん！
くっそー、脱出失敗や！

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