生きて ページ48
アルバスは信者のベンチで眠っている。
ジニーは注意深く息子を見守っている。
Aはそんな二人を見ながら離れた信者のベンチに座って外を見つめていた。
向こうではロンとハーマイオニー、ウィリアムが作戦について話している。
眠いはずなのに眠れない。
暫く何も考えずにしていると足音が近づいてきて、シーラがAの横に座る。
シ「大丈夫？」
「うん______…わからない」
シーラは娘を優しく見つめる。
「お母さん、ごめんなさい。これ______」
Aはポケットからロケットの紐を取り出す。
デルフィーにロケットを破壊されてしまい、Aは母に謝罪する。
「本当にごめんなさい。完全に油断してた。デルフィーにやられてしまった」
Aは母の顔を見れなかった。
しかしシーラはAを優しく包み込む。
シ「壊されたのがロケットでよかった______あなたじゃなくて本当によかった」
「お母さん、」
Aは母の温もりを噛み締めて静かに涙を流す。
「守れなかった」
シ「お願い、A。自分を責めないで。きっとロケットがあなたを守ってくれたのよ、代わりに。それにあなたたち3人が無事でみんなどれだけ嬉しいか」
「うん、ごめんなさい、ありがとう」
シーラはAの目の縁に溜まった涙を優しく拭いてニコリと笑う。
Aも自分によく似たアイスグレーの母の瞳を見つめて微笑む。
お母さんの子でよかったとAはいつになく思う。
いつもは厳しいけどその中には愛があって優しさで溢れている。
そしてAの心をいつも守ってくれる。
「お母さん、いつもありがとう」
シ「お母さんのところに生まれてきてくれてありがとう」
「うん、ありがとう」
たくさんの感謝に包まれて暗かった場が和む。
するとスコーピウスがこちらに来てその後ろにはドラコがいる。
ドラコは優しくスコーピウスを見守っている。
シ「スコーピウス、調子はどう？」
シーラが声をかけるとスコーピウスは人懐っこい笑顔でニコリと笑う。
ス「大丈夫だよ、少し不安だったけどね」
Aはスコーピウスを見つめる。
ス「A、平気か？」
「うん、少し楽になったみたい」
シーラはAの隣から立ってスコーピウスに座るように勧める。
スコーピウスはAの隣に座る。
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作者名：ななや | 作成日時：2022年9月29日 19時
