曲者揃いのスリザリンは時間の旅に出るらしい。 (ページ16)

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本音ページ16

「分かったことがある。あなたは母のことを愚かだなんて思ってない。誇りに思っている」

「なぜそう言える？お前に私の気持ちがわかるか？」

「わかるよ、娘だから」

Aのシーラによく似た真っ直ぐな瞳と凛とした雰囲気にウィリアムは目を逸らせなくなる。

そしてついに折れて本音をポロリと口にする。

ウ「彼女は強く、芯のある人だった。誰にも流されずに一人で真正面から立ち向かった。私にはそれができなかった。だからシーラを守れなかった｣

「できない自分を責めないで、お願い」

Aは父の涙を初めて見た。

ウ「でも、死んだ人はもとには戻らない」

「お母さんは心の中で生き続けてるよ。消えることのない光だから｣

ウィリアムは片手で顔を覆う。

「私はお母さんを取り戻す。そして妹も」

ウ「Aにそれができるのか｣

「できる。絶対に。信じて欲しい」

ウィリアムは娘を抱きしめる。

ウ「Aの口からそれが聞けてよかった。私は妻のことも娘のことも誇りに思うよ。そして私のもう一人の娘_______アンニカもだ｣

「うん_______私も今まで気づくことが出来なくて、ごめんなさい｣

ウ「A、少し変わったな_______母さんによく似てる。もちろんいい意味だ」

ウィリアムは小さく笑を零す。

Aも微笑みを返す。

「私は今の私が嫌いだから、変わりたいんだよ。もう行かないと」

Aは煙突飛行粉を手に取り暖炉の中に立つ。

ウ「英雄たちに光栄あれ」

父のその言葉にAはしっかりと頷き、姿を消す。