サソリ王とヘビ姫 ページ12
Aが校庭を歩いていると、校長室に呼ばれていたスコーピウスが戻ってきた。
ス｢A！｣
｢スコーピウス、ああよかった｣
スコーピウスはAの手を取りギュッと握る。
｢スコーピウス、落ち着いて校長が言っていたことを話してちょうだい｣
ス｢ああ。オーケー｣
スコーピウスは一呼吸置いて語り出す。
ス｢やっぱりハリー・ポッターは死んでるんだ。つまりこの世界はヴォルデモートがハリーに勝利した世界_____そして何故か僕はスポーツ万能でクィディッチ選手になってる、そして君は僕の_______ビジネスパートナーなんだ｣
｢ビジネスパートナー……？私たちは何をしてるの？どういうこと？｣
ス｢それに、君が蛇になれることは全員が知ってる｣
｢えっ！？｣
Aはそこで気づく、だからクレイグは自分のことを『ヘビ姫』だと言い張ったのだ。
そしてもう一つ気づく。
Aは手首を見る。
｢ない…やっぱりない_______スコーピウスからもらったブレスレットが消えてる｣
ス｢なんで_______そうか、この世界では僕らは恋人同士じゃない、だから僕は君にそれを贈らなかった｣
｢オーケー、なんとなく分かってきた……｣
すると生徒が何人か現れ、スコーピウスとAに近づいてくる。
カール・ジェンキンズとヤン・フレドリックスだ。
カ｢おい、サソリ王、スコーピウス｣
スコーピウスは仕方なくハイタッチする。
苦痛だが、耐える。
カ｢ヘビ姫も一緒ってことは計画は進んでるのか？｣
｢計画？｣
ヤ｢計画に変わりないな、明日の夜？｣
カ｢穢れた血の腸をかき切ってやろうぜ｣
ジェンキンズのその言葉にAとスコーピウスは顔を見合わせる。
2人とも状況がイマイチ掴めない。
カ｢Aはお得意の毒で一発だろ？痺れるな｣
｢やだ私、毒で人を殺したことなんて_______｣
と言いかけるがAは今は別の世界の自分なのだと自覚して黙る。
すると向こうの方にポリー・チャップマンが現れ、スコーピウスを呼ぶ。
スコーピウスは警戒心を抱きながらポリーの元へと歩みを進める。
ヤンはいつの間にか居なくなり、Aはジェンキンズと2人きりになる。
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作者名：ななや | 作成日時：2022年9月29日 19時
