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「おい着いたぞ。起きろ」
「ん゛ん、ふぁぃ……ﾌｶﾞｯ！？ちょ、鼻摘ままないで、、。起きる、目ぇ開けるから」
微睡む意識が一瞬の息苦しさで浮上する。
覚醒し切っていない頭へ入り込む低い声。辛うじて返答すれば、呼吸の妨害をしていた指が離れて行った。
痛む眼球。ｸﾞﾗｸﾞﾗと揺れ動く霞んだ視界。
倦怠感から抜け出せない身体に鞭を打って起き上がり、刀をベルトに付属しているキーホルダーで腰に括りつける。
欠伸を噛み殺しながら既に誰もいないバスを降りれば、其処は眼下に広がる森を一望できる崖だった。
「本当に此処が目的地？相澤さんの方が寝惚けてるんじゃない？」
「今度は鼻と口両方塞いでやろうか」
「窒息死まっしぐらだよ。とてもヒーローの所業とは思えないね」
イレイザーさん怖ーい！とおどけ、相澤さんの鋭い視線から逃れるべく皆の方へ向かった。
皆も同様に？マークを頭上に浮かべており、頻りに辺りを見回したり崖の縁から地面を覗いている。
丁度近くに出久や無重力のお嬢さんがいたのでそっと近寄る。
「おはよう出久、お嬢さん」
「おはよー月慕ちゃん！今日は雄英の制服なんやね。スカートも似合っとるよ！」
「ありがとうお嬢さん。やっぱり此方の制服は慣れないね」
「お、おはよう月慕さん。月慕さんは何で此処で停車したのか分かる？」
声を掛けて直ぐに眩しい笑顔で迎えてくれたお嬢さんに目を細め、出久の質問には否と答える。
「残念ながら知らされてないよ。私には、相澤さんが何か企んでる事しか分からない」
「そっか…」
「でも、もうじき分かる。そろそろ答え合わせの時間みたいだから」
増えた気配の方に視線を走らせれば、これまた派手な色合いの人物が歩いて来ていた。
猫耳を模したカチューシャに肉球、首元の鈴。
それぞれ赤と青、如何にも猫のような衣装を身に纏う彼女らにﾋﾟｸﾘと好奇心が反応した。
相澤さんが特に反応していないので気楽に構える。
「よーうイレイザー！」
「ご無沙汰してます」
頭を下げた先。そこで仁王立ちした2人がﾆｶﾘと口角を上げた。
「＿＿＿＿煌めく眼にロックオン！」
「＿＿＿＿＿キュートにキャットにスティンガー！」
『ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ！！』
気合の入った決め台詞と共に登場したのは、山岳救助を得意とするベテランチームのマンダレイとピクシーボブというヒーローらしい。
横で聞いていた出久の早口解説は、遠回しに年齢をバラされかけたピクシーボブによって止められたので、続きを聞くことは叶わなかった。
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コロッケ - 本当に好き！主人公の性格とかも面白いしヒーローと呪術師の価値観の違いも上手く書かれてて最高です！是非更新宜しくお願いします！ (11月17日 2時) (
レス) @page17 id: 0002858abd (このIDを非表示/違反報告)
くらげ - 更新されててびっくりしました！これからも更新がんばってください！応援してます (10月19日 20時) (レス) @page16 id: 09404ca91f (このIDを非表示/違反報告)
マリモ - 占ツクにこんな文章のしっかりしてる最高の作品があったとは。もう何回読み返したかわからない。更新お待ちしてます大好きです (8月30日 18時) (レス) id: b3cc1c8641 (このIDを非表示/違反報告)
わらび - 投稿ありがとうございます！オリ主ちゃんや、ストーリーが好みすぎて何度も繰り返し読んでます！これからも応援してます！ (8月21日 21時) (レス) @page15 id: 852819b8c2 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのゴリラ - ほんまに好きです最新まってます (8月15日 23時) (レス) @page14 id: fa8371b6ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハル | 作成日時：2022年8月29日 22時
