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7. ページ35

静かにゆっくりと歩み寄るカルエゴ先生から視線が外せなかった。

手をかざされた直後、身体が妙に軽くふわりと浮くような感覚に…

というか浮いている。


「重力操作だ」


言ってセーラーの後ろ襟を掴まれた。


「えっ?」


言うが早いか先生は飛び立ち、あっという間に空高く


「ヒィーーーッ!!
高い高い怖い怖い怖いーッ!!」

「やかましい
この俺が運んでやってるんだ。有難く思え」

「だからってこんなッ
物を運ぶみたいに〜!!」

「注文の多い奴だ」

「お願いします!
もっと安定感をーッ」


懇願したら、わざとらしく溜息を吐いて

腰に手が回された

いや、正確にはお腹だ

脇に抱えられている。


「これも物を運ぶ抱え方じゃないですかッ」

「荷物には違いあるまい」

「酷いッ」


ククッと笑う先生

笑った!?

先生の顔を確認すると、前を見据えて、口角を上げ、確かに笑っていた。


ポーっと眺めていると、カルエゴ先生が視線を落としてぶつかった。

先生はすぐにまた前を向いたのだけれど


「なッ
何を見ている」

「カルエゴ先生の笑った顔でーすっ」

「フン
笑ってなどおらん」

「いいえ笑ってましたー
見ましたもん」


あ、口がへの字になった

怒られそう。やめとこ


「入間も飛べんのか?」

「い、入間君は合わせてくれてるだけです」


入間君はあの指輪で魔術も使えるし、そう言っとけば大丈夫よね

こういう魔術を駆使すれば飛ぶ事もできるかもだし


「これをシチロウに相談していたのか」

「えっ、あ、はい」


バラム先生にも口裏合わせてもらわなきゃ!


「それならそうと何故言わんのだ」

「え…」

「少しは頼れ」


まさかそんな風に言ってもらえるなんて

頼りになる大人の先生…好き


「聞いているのか?」

「はいっ聞こえてます、けど
そんな風に言ってもらえるなんて思ってなくて、嬉しくて…」

「た、担任だからだ」

「ありがとうございます
頼りにしてます、カルエゴ先生♡」


先生は「シチロウも何故俺に…」だなんてブツブツ言っていたけれど

耳が赤くなっているのは、夕陽の所為だけじゃないと思う。

8.→←6.カルエゴ視点



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雪猫 - あー!!もうきゅんきゅんがたまりません!更新頑張って下さい!応援してます! (2020年5月10日 1時) (レス) id: 07da1e2227 (このIDを非表示/違反報告)
畢竟無(プロフ) - えギー先生は夢主ちゃんの気持ちに早く気づいてあげてwwwwオペラさんは自重してwwwww面白かったです!応援してます! (2020年5月9日 14時) (レス) id: f1eda83896 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:周杜(シュウト) | 作成日時:2020年5月6日 13時

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