君と 3

身勝手な俺(side N) ページ5

俺は本当に身勝手だ。
みおを傷つけた上に、不意打ちで会いに来て。



でも、このままでいたくない。



俺の気持ちを伝えたい。
君が好きで、ガキみたいに嫉妬したと。



謝りたい。
嫉妬と独占欲で、君を傷つけたこと。
本当はずっと、君と一緒に歌いたかった。
会いたくて仕方なかったと。



この前素直に言えなかった気持ちを、今伝えたい。



彼女の潤んだ瞳と苦しそうに下がる眉。
戸惑い、恥じらい、不安、そして期待が混じる表情。



今、みおにこんな顔をさせているのは俺なんだ。



そう思ったらたまらなくて。
俺の子供じみた独占欲が満たされていくのがわかる。



もっと見たい。
もっと、俺のことでいっぱいになってよ。



彼女の熱く、震える指先にキスをすれば、その潤んだ瞳が大きく揺らぐ。



好きだ。



抑えられた照明の下でもわかるくらい、みおの頬が真っ赤に染まっていく。



そのカオ、たまらない。
もう1度、俺の本気が伝わるように、彼女の指先にキスを落とす。



伝わってる？
逃げないで、受け止めて。
みお、大好きだよ。



みおの揺れる瞳をとらえたまま、ゆっくりとその華奢な指の線をなぞると、彼女はギュッと目を閉じてうつむいた。



その彼女の仕草、表情が俺を煽っていく。
ダメだってわかってるのに。
俺の一方的な想いだけで突っ走るのは。



相当ハマってる。
いつの間に、俺はこんなにみおでいっぱいだったんだ？



みおは俺の言葉でいちいちカオが赤くなるから、かわいくて仕方ない。



触れたい。



もっと。



欲求に抗えず、再度彼女の真っ赤な頬にそっと触れた。
ゆっくりと親指で撫でながら、その柔らかで滑らかな肌を指先で感じる。



俺の鼓動が速くなり、体も熱くなっていく。
このままじゃまずい、わかってるのに。



みおの戸惑い、恥じらうカオと、俺以上に熱くなってる頬に歯止めが効かなくなる。



もっと困らせたい。
もっと俺でいっぱいにしたい。
誰にも見せたくない。
こんなにかわいい君を。



でもやっぱり、俺の暴走を止めるのも彼女で。



みおはさすがに限界という表情で、下を向いてしまった。



やりすぎた…



「ふっ、ちょっといじめすぎた。ごめん」



彼女の頬から手を離し、大きく息を吸い込んだ。



みおの放つ爽やかな香りが、俺の熱くなった心を落ち着かせてくれるから。

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