君と 3

甘いカオ(side N) ページ29

みおに考える時間をあげて、俺は待つつもりでいたけど…



やっぱ俺、余裕ない。



一緒にいれば触れたいし、触れれば抱きしめたくなる。



“もっと”

“もっと呼んで、みおって”



たまらないな。
みおのこんなにかわいいお願い。



照れて俺の胸に顔を埋める仕草も、かわいくて仕方ない。
いくらだって、呼んであげる。



“みお”って、彼女の耳元でささやけば、俺の背中にまわった腕がきゅっと締まる。



もう、泣かないで。
その溢れる涙を拭うように、何度も彼女の目尻にキスをした。



みお、



好きだ。



君が欲しい。



俺の中に残っていた少しのためらいは、すでに消え去っていた。



彼女の腰に腕をまわし、さらに体を密着させる。
もう、僅かな隙間ももどかしい。



もっと俺を求めて。
俺だけを見てほしい。



そっと彼女の右耳に触れてみると、さらに彼女の瞳が揺らぐ。



ねぇ、みお。
このまま先へ進んでもいいの？
俺を、俺の気持ちを受け入れてくれる？



彼女を見つめながら耳を撫で続けると、みおは瞳を閉じた。



この先を俺に委ねるように。



真っ赤な顔。
濡れた頬。
熱い体。



彼女の全てが、俺を引き寄せる。



「みお、好きだよ」



みおの微笑みを見つめた後、俺の溢れる想いを、彼女の小さくて赤い唇に重ねる。



熱い。
熱いみおの唇。



もっと、欲しい。



角度を変えて、もう1度。



さらに長く、俺の想いを注ぐ。



それを受け入れてくれる彼女の柔らかな唇。







ゆっくりと唇を離し、目を開けると、初めて見るみおのカオ。



赤く染まった頬。
期待に満ちた潤んだ瞳で、俺を見つめてる。



こんなに甘いカオ、するんだ…



「みお、かわい」



俺の言葉に、彼女は恥ずかしそうに視線をそらすから、たまらずぎゅっと彼女を抱きしめた。



このままここに、閉じ込めてしまいたい。

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