告白 ページ3
『みおが俺とは歌えなくなった時、打ちのめされた。ショックだったよ。
俺の態度がそうさせてるのはわかってたけど、みおを責めた。ほんっとに俺、最低だ』
西島君はすごく苦しそうに、顔を歪めた。
私は何も言えず、首を振ることしかできない。
『ごめんな。みおが泣いて気持ちをぶつけてくれた時、自分の行動をすごく悔やんだけど、逆に嬉しいと感じてる自分もいて』
「…」
『みおも俺と同じ気持ちだったんだって』
「私も、一緒に歌うのが楽しみだったの。会えてとても嬉しかった」
『あんなに取り乱して必死に気持ちを伝えてくれるみおを初めて見た』
「恥ずかしいから思い出さないで。ニヤニヤしないでよ…」
『ごめん、すげぇかわいかったから』
彼は口元を手で押さえてる。
ねぇ、本当に悪いと思ってるの?
私は頬を膨らませて反発してみたけど
『それもかわいいから逆効果』
と、相手にされず。
いつも以上に “かわいい” を連呼する西島君に、内心戸惑う。
『不謹慎だけど、みおがもっと俺の事を考えて、俺でいっぱいになればいいって思ったんだ』
「…」
『本当はみおを帰したくなかった。でもこれ以上一緒にいたらさらにみおを傷つけるだけだって気づいて、何も、言えなかった』
熱い私の指先。
私の指が熱いの?
それとも西島君?
たぶん、両方。
そんな甘い目で、見つめないで。
私の心臓、もう破裂寸前。
この先を、聞きたいけど聞きたくない。
「西島君…」
『みお』
うっとりするような甘く柔らかな声。
私の胸が、きゅうっと疼く。
『この前言えなかったこと、言っていい?』
「あ…の、」
やめて、それ以上は。
そう言いたいのに、
声が出ない。
私を見つめる、彼の熱を帯びた視線。
ゆっくりと彼の口元へ運ばれる、私の震える左手。
そして指先に、
熱い、
とても熱い、
口づけ…
『好きだ』
こげ茶色の彼の瞳に、
惹き込まれる。
『好きだよ、みお』
再び、指先への長く熱い口づけ。
彼の本気が伝わってくるよう。
目眩がしそうなくらい甘美な、情熱的な告白だった。
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さら(プロフ) - 恋葉さん» コメントをありがとうございます。完全自己満な作品に感想をもらえて嬉しいです。その曲知らなかったので聴いてみました。いかようにも解釈できる、想像膨らむ歌詞ですね。好きなシーンを伝えてもらえて最高にハッピーです。読んでくれて感謝です。 (2020年4月24日 3時) (レス) id: 9f1002156f (このIDを非表示/違反報告)
恋葉 - 楽しませていただいております!!!個人的には7ページのチョコレートの話、Da-iCEのチョコレートシンパシーに似ててすっごい好きです(*´∇`*) (2020年4月23日 19時) (レス) id: 35a567dc92 (このIDを非表示/違反報告)
さら(プロフ) - てんさん» コメントをありがとうございます。楽しみにしてもらえるって嬉しいですね。これからもニッシーの恋の行方を見守って下さい。 (2019年5月9日 1時) (レス) id: 012c2a9612 (このIDを非表示/違反報告)
てん - いつも楽しみにしてます!この物語のにっしーが好きすぎます(*´ω`*) (2019年5月8日 11時) (レス) id: 3758975c70 (このIDを非表示/違反報告)
さら(プロフ) - 憂さん» コメントをありがとうございます。とっても励みになります。楽しんでもらえてよかったです。 (2019年4月25日 3時) (レス) id: 012c2a9612 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さら | 作成日時:2019年4月17日 4時