理性崩壊寸前 ページ11
『みお、さっきのことだけど』
きた。
返事、しなきゃ。
「あの、私…」
『待って、断られそうでこわい』
西島君は伏し目がちで自信無さげな顔。
そんな顔しないで。
胸が苦しい。
苦しくて、彼を直視できない。
『本当は今すぐみおの気持ちが欲しいけど、今は俺の気持ち伝えられるだけでいいや。今はね』
そう言って、西島君はゆっくりと私に近づいてきた。
今度はいじわるな顔してる。
嫌な予感…
後ずさりする私。
さらに距離をつめる彼。
トンっと、背中に硬く冷たい感触。
見上げた先に、彼の熱っぽい瞳。
西島君の甘い香りが鼻をかすめ、さっき抱きしめられた事を思い出し、私の体が一気に熱を帯びる。
ドキドキとうるさい、私の心臓。
『ずるいよな』
「え？」
『俺だけがドキドキしてる』
西島君に左手を取られ、きゅっと握られた。
どうしよう…また、さっきの甘い彼だ。
『俺とこうしてて、ドキドキする？』
「…」
もう彼の甘い視線に耐えられず、目をそらすしかなくて。
ホントはドキドキして仕方ないけど、素直に言えない。
言っちゃだめ。
言ってしまったら…
たぶん西島君につかまってしまう。
彼の瞳に囚われて、目が離せなくなって、引き返せなくなる。
『ふーん、素直じゃないな。カオ真っ赤だよ？』
「知らない」
『かわい。強がってるところも』
もうやめて。
心臓がもたない。
西島君の左手が私の頬に触れた。
親指でゆっくりと撫でられて、熱くなっていく私の頬。
『みお、俺を見てよ。お願い』
掠れた声に思わず視線を合わせると、にっこりと微笑む彼がいた。
やられた。
つかまってしまう…
これ以上見つめられたら。
目をそらしたいのに、できない…
『ここ、ピアスかと思ったら、ホクロだったんだ』
西島君の左手が触れた、私の右耳。
全神経が、そこに集中していく。
耳を撫で続ける彼に見つめられて、もう…
「西島君…」
『みお』
もう、
理性が崩壊寸前…
『西島、何してんの？』
扉の前に1人の男性と、その後ろに女性が1人。
私たちを見ていた。
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さら(プロフ) - 恋葉さん» コメントをありがとうございます。完全自己満な作品に感想をもらえて嬉しいです。その曲知らなかったので聴いてみました。いかようにも解釈できる、想像膨らむ歌詞ですね。好きなシーンを伝えてもらえて最高にハッピーです。読んでくれて感謝です。 (2020年4月24日 3時) (
レス) id: 9f1002156f (このIDを非表示/違反報告)
恋葉 - 楽しませていただいております！！！個人的には7ページのチョコレートの話、Da-iCEのチョコレートシンパシーに似ててすっごい好きです(*´∇｀*) (2020年4月23日 19時) (レス) id: 35a567dc92 (このIDを非表示/違反報告)
さら(プロフ) - てんさん» コメントをありがとうございます。楽しみにしてもらえるって嬉しいですね。これからもニッシーの恋の行方を見守って下さい。 (2019年5月9日 1時) (レス) id: 012c2a9612 (このIDを非表示/違反報告)
てん - いつも楽しみにしてます！この物語のにっしーが好きすぎます(*´ω｀*) (2019年5月8日 11時) (レス) id: 3758975c70 (このIDを非表示/違反報告)
さら(プロフ) - 憂さん» コメントをありがとうございます。とっても励みになります。楽しんでもらえてよかったです。 (2019年4月25日 3時) (レス) id: 012c2a9612 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さら | 作成日時：2019年4月17日 4時
