23. ページ23
Shizuya Side
.
.
しめの答えにはてなを浮かべていると
廊下から話し声が聞こえてきた
「ほら、掃除当番来ちゃっただろ、
いい加減もう行くぞ」
意外とすぐそばで聞こえる声に若干の焦りを感じ
しめを催促する
『まあまあ、落ち着けって』
一向に動こうとしないしめの腕を引き
教室を後にしようとすると
______ガラガラ
PC室の扉を開けたのはAちゃんだった
Aちゃんと一緒にいた他の女子は
しめがいたことに驚きと嬉しさを含めた黄色い声をあげる
こいつはアイドルかって
当の本人は「やほー」なんて言ってひらひら手を振っているが
こういう時俺はどうするのが正解なの分からない
”しめちゃん先輩”と呼んだAちゃんにしめが
”龍也くん”と呼び直しさせる
この間俺にどうのって言っていたくせにいつそんな距離詰めたんだよ
しめのことだから付き合ってるとかはなさそうだけど
PC室で待ち伏せしてたのも、もしかして実は...
…って、なんかバカらしいこと考えてるな、俺
『よーし、しず!早く部活いこ!』
扉の方に行っていたしめに言われる
こっちはお前待ちだっての
振り回されっぱなしだよ
Aちゃんの横を通り過ぎるとき
しめがAちゃんに耳打ちした
『日曜日、楽しみにしてるね』
確かにそう聞こえた
しめが誰と何して遊ぼうかなんて干渉はしない
昔からしたこともなかった
今回だって。
これは干渉じゃない
ただなんとなく
Aちゃんを他の女の子と同じような感覚で
遊びで接しているとしたらちょっと腑に落ちないというか、
正直いうと、試合に負けたみたいな感じ
一歩も踏み出してもない俺が言うのも筋違いだけど
嫉妬に似た悔しさがこみ上げた
『しず、何その顔
考え事?』
.
.
206人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「TravisJapan」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:なんちょむ | 作成日時:2019年9月24日 17時