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You Side
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息を吸ったそのタイミングで、
『そーだ!!』
しめちゃん先大きな声に遮られる
私の方に足を進め
『呼び方、どうだっけ?』
「え?」
『さっき俺の事なんて呼んだ?』
「...あ」
長年の癖はすぐには直らないもので
確かにさっきは”しめちゃん先輩”と呼んでしまった
『はい、罰金〜(笑)』
それ程ない慎重さだけれどしめちゃん先輩はかがんで目線を合わせ
おでこに軽くデコピンをする
「いたっ!」
『はい、何て呼ぶんだっけ?』
「龍也くん...です」
『だいせいかーい!』
周りの女の子の形相なんて知らん顔で
ふふなんて可愛らしく微笑むしめちゃん先輩
『よーし、しず!早く部活いこ!』
閑也先輩を手招きして扉に向かおうとするしめちゃん先輩
閑也先輩が追いついた時、
私の横を通り過ぎる寸前
耳元で
”日曜日、楽しみにしてるね”
私にしか聞こえない声でそう言い去ってしまった
いや、もしかしたら閑也先輩にも聞こえていたかもしれない
閑也先輩に聞かれると非常にまずい気がする
別にしめちゃん先輩とやましいことはないけれど
誤解されたくないっていうか、
まあ、しめちゃん先輩と閑也先輩は仲が良いし大丈夫か...
そう自分に言い聞かせる
あ、閑也先輩に”部活頑張ってください”って言い損ねちゃった
しめちゃん先輩のせいだよ
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作者名:なんちょむ | 作成日時:2019年9月24日 17時