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You Side
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試合が始まる少し前
『Aちゃん...だよね?』
隣の人からそう声を掛けられた
一人で観に来ていたからびっくりした
顔を覗き込まれ声の主に目を合わせると
「しめちゃん先輩...!?」
『やほ!せいかーい!』
多分この学校でしめちゃん先輩の事を知らない人はいない
可愛くて、かっこよくて、運動神経抜群、
なのにバスケ部の幽霊部員
そして彼女はいないのにいつも不特定多数の女の子と
いるのをよく見かける
それは中学校の頃からだっけ
閑也先輩一筋の私には無縁だったしめちゃん先輩に声を掛けられて
驚きを隠せない
「しめちゃん先輩、私の事何で知ってるんですか?」
純粋に気になった
『そりゃあ、ね?』
そういって勿体ぶる
にっこり天使のような笑顔を向け
『俺の事、龍也って呼んでくれたら教えるよ♪』
...呼べるわけがない
そんな呼び方したら、しめちゃん先輩を取り囲む女子に
何されることやら
そうなったら平和に閑也先輩の追っかけどころじゃなくなる
「無理に決まってるじゃないですか!!!」
『そういうと思った〜
じゃあ、龍也くんでいいからさ!ね!』
完全に押し負けた
「...わかりました」
『はーいじゃあ決定ね?
龍也くん以外の呼び方は罰金だからね?』
つかみどころのない人というか
マイペースというか
私が質問したことの答えが返ってこない
『あ、そうそう
Aちゃんさ、今度の日曜日予定ある?』
「特にないですけど...」
『じゃあさ、』
遊園地に行く前の子供みたいなキラキラした目で
私を見つめる
そんな見つめられた私はというと
しめちゃん先輩改め、
龍也くんから告げられる言葉にびくびくするしかできなかった
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作者名:なんちょむ | 作成日時:2019年9月24日 17時