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とある名探偵の悩み ページ6
その古書堂へ行くのは、もう数えきれないほどになった。
きっと、僕は途中で彼女について気づいていた。だけど、それに気づかないふりをしていた。
でも、僕のことに気づいて、他の気づかないふりをしていたことも気づいてしまった。
異能力のことも、彼女のことも。彼女が求めていること、望んでいることを、ずっと気づかないふりをして、無視し続けて、そのくせ、何か彼女を引き留める策を探していた。
でも、どうやっても、どうしても、彼女がいつか帰る術を見つけ、この世界から消えてしまうことはわかっていた。
だから、少しでも、この世界に心残りができればいいと。僕は、彼女の店へ向かった。
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作者名：あき | 作者ホームページ：http://http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fallHP/
作成日時：2021年4月24日 1時
