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「ってか、ずっと立ってないで、隣おいで?」
そういって、ベッドの前に座っていた松村くんは、私の席を指定するかのように、クッションを置いてくれた。
『ありがとう。』
『というか!すっかり忘れてたけど松村くん私が泊まっちゃった彼女怒ったりしない?』
そういうと、松村くんは一瞬フリーズして笑い出した
『??』
状況が上手くつかめない...
「あぁ...本当に先輩って面白い!し、ちょっとムカつきますね?」
『え!なんでよ!』
「先輩って本当に俺に興味ないんだもん(笑)もう一年以上の付き合いなのに、彼女いないのも知らなかったの?」
そういって松村くんはまた笑い出した
『え、なんかごめん...でもいつも女の子に囲まれてるし、モテるだろうから勝手にいると思ってた...』
「先輩。俺、見た目で近寄ってくる子は沢山いるけどモテないし、彼女もいないよ。」
『そうなの?優しいし気も使えるのにね。松村くんに彼女できなかったら、私なんかあと何年後に彼氏できるんだか....』
「先輩、俺優しくないよ。」
『??松村くんは優しいよ。』
「なんで先輩に優しくしてると思う?」
...言いたいことあるなら、はっきり言ってくれ。全く読めん。
松村くんはこっちを向いて、ジリジリと距離を詰めてくる。
なになになになに、近い近い。君はズームに耐えられても、私のスッピンはそんな近距離に対応してないんだ...!!!
『松村くん...ちょ、近い...!!』
「逃げないで。」
そういって、彼は私の左手に彼の左手を重ねてきた。
「もう、わかるでしょ?俺がなんで先輩に構うのか。優しくするのか。興味ないふりして逃げるのはもう無しだよ。」
「下心。先輩に良い人って思われたいから、一番距離の近い後輩でいたいから。
....Aさんが好き。」
そう近距離で囁いた彼はそっと私に口付けた。
彼からは、柔らかな入浴剤のミルクの匂いがした。
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作者名:nonono | 作成日時:2020年1月17日 6時