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「Aさーーーん!!!飲んでますかぁ!?」
『ぶつかってくる力が強いんじゃ酔っ払い。』
「Aさん酷い!俺の名前は酔っ払いじゃなくて慎太郎なのに!!」
なんて泣き真似をしながらぶつかってきた1年生の慎太郎は、そんな自分が面白いのか1人で爆笑していた。
2時間前に始まった飲み会でも、遺憾なく彼のムードメーカーぶりを発揮し、輪の中心で盛り上げていたのだが、元来気遣いな彼は、隅で大人しくしている私を見かねて声をかけてくれたのだろう。
だが、今は結構。今はその優しさはいらん!
『慎太郎ありがと。でも飲んでるから大丈夫だよ。席戻りな!』
早く彼を返さなければ、絶対に巻き込まれるやばいやばいやば......
「A!乾杯するぞ!」
出た....部長の大橋さん。普段は温厚で頼り甲斐がある人なのだが、酒の席となると、誰から構わず乾杯して一気させたがる人なのだ。
『いや、大橋さん!もう慎太郎戻るんで!はい!全然!大丈夫なんで!』
「いいから!慎太郎も一緒に!はい!乾杯〜!」
こうなったら飲むしか終わりがないのだ。
「Aさん!かっこいい!!大橋さん!俺らも飲みましょ!!」
慎太郎め、絶対許すまじ.....
そして私のこの一気を面白がった大橋さんと慎太郎は私の隣から離れず、何度乾杯したか分からなくなったタイミングで救い出してくれたのは、松村くんの
「もう閉店の時間らしいっすよ〜!はい!皆さん出ますよ〜」
の一言だった。
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作者名:nonono | 作成日時:2020年1月17日 6時