桜色コントラクト (ページ7)

今日:6 hit、昨日:7 hit、合計:6,153 hit

また今度。ページ7

.

黒｢Aちゃん、知り合い？｣

『いや、ちょっと前に助けて貰って……ね？』

｢まぁ｣

黒｢ふぅん｣

自分から聞いたくせに、

答えたら興味無さそうにしてる黒ちゃん。

いやそんなにあからさまにつまんなそうにしなくても。

なにが不満なのか分からないけど、口をとがらせている。

檜｢尚大、これ先生から貰ってきた｣

｢ん、｣

檜｢……知り合い？｣

｢知り合いというか…まぁ、そんな感じ｣

檜｢ふーん…あ俺、檜山っていいます｣

『井上です』

檜｢…ねえもしかして｣

｢さぁ、ね｣

私の名前を聞いて、

檜山くんが織山くんの顔をみる。

なにこのアイコンタクト。名前でなにかわかるのかな。

井上、なんて苗字、探せばざらにあるし珍しくもない。

アイコンタクトのわけを聞きたかったけど、

聞けるほどの間柄でもなく。

なにより委員会始まっちゃったから聞けずじまい。

終わる頃にはもう何を聞こうかなんて忘れてたけど。

檜｢ねぇ、井上さんて、｣

｢檜山いいよ｣

『？、』

｢また今度、ね｣

黒｢Aちゃん、行こ〜｣

次の委員会で、っていう解釈であってるよね。

ちょっとだけ不自然な間に違和感を持ちつつも、

委員会が終わったから

黒ちゃんに引っ張られて教室を出る。

｢ほんとにまた今度、だね。｣

また今度。

その意味をちゃんと理解するのは、もう少し先。