桜色コントラクト (ページ3)

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"こうき"くん。ページ3

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黒｢うっちー！｣

颯｢お、黒ちゃんおはよ〜。何組だった〜？｣

黒｢ん、俺ね〜2組！｣

颯｢2組……ってことはAと一緒じゃん｣

黒ちゃん、と呼ばれるその人は颯太くんと仲良さげ。

2年生？なのかな？と思ってたら、

まさかの同じ学年。同じクラス。

同じならこれから話す機会あるかな。

って思ってたら、その"機会"は絶賛今らしい。

黒｢A、って？｣

颯｢俺の幼なじみ。ほら。｣

『どうも、？』

黒｢Aちゃんね！よろしく！｣

『よろしく。えっと、』

黒ちゃん、って呼ばれてたから

あだ名が黒ちゃんなのは分かるんだけど

初対面で、あだ名で黒ちゃんと呼んでいいものか。

でもフルネーム知らないし、って思って言葉を濁らせる。

黒｢光輝、って呼んで！｣

『ん〜それだと…』

颯｢A、苗字が黒田だから、黒ちゃんでいいよ｣

『あ、そう？……じゃあ、黒ちゃん、？』

こうき、って聞いて真っ先に浮かんだのが

幼稚園の頃の幼なじみ。

私の中で"こうきくん"といえばあの人だから。

なんて呼ぼうか悩んでたら察してくれた颯太くんが

助け舟を出してくれた。

黒｢…………｣

『あ、やっぱり黒田くん？』

黒｢いや！黒ちゃんでいい！……いつか光輝って呼んでね？｣

『？、……とりあえず、黒ちゃんて呼ぶね？』

同じこうき、の黒田くんをみて

皇輝くん元気かな、なんて考える。

黒ちゃんと同じ名前の幼なじみ。

昔はたくさん遊んでたし、今もたまーに会うんだけど、

もう最後に会ったときからだいぶ経つ。

……今日連絡してみようかな。

LINEを交換してない私たちの連絡手段は、

高校生になっても手紙。

アナログだけどそれが嫌いじゃなかったりする。

颯｢○○〜？行くよ〜｣

黒｢○○ちゃん、一緒に教室行こ！｣

『あ、うん。黒ちゃんと席近いといいね』

黒｢うん！｣

入学初日。

幼稚園からの幼なじみと1年ぶりに一緒に登校して、

新しい友達が出来て。

……もう1人の幼なじみを思い出して。

騒がしすぎて、ちょっとだけ忘れてた。

さっきぶつかった、名前も知らない君のこと。