のんとぼくの１００日間〔赤〕

05 _ はじめてのひらがな ページ6

望 side .








仕事を急いで終わらせて、幼稚園に向かう。








「……すんません！遅なりました！」


大「のんちゃんっ！！」


「大毅っ、ごめんな、お待たせ」


大「のんちゃん、まってたぁっ！」


桐「大毅くん、ええ子にしてましたよ」


「大毅、ええ子やったん？ありがとうなぁ」


大「うん！だいきな、ままに、おえかきしてんっ！」








そう言いながら見せられたのは1枚の絵。




にっこり笑ったAの似顔絵と、はじめて見た大毅の字。








「大毅、すごいやん！ひらがな書けるんか……！」


大「あきとせんせーに、おしえてもらったんっ」


「これ、ママに見せたらめっちゃ喜ぶわ！」


大「へへっ！はやくあいたいなぁっ」


「ほんなら今週末、会いに行こかあ？」


大「うん！Aちゃんとこ、いくっ！」








いつもAに任せっきりやったけど、知らん間にこんなに成長してたんやなあ……








Aの似顔絵だけやから、俺のこと書いてくれへんかったのがちょっと寂しいけど。笑




でもええんや。大毅が元気に育ってくれてる、それだけでほんまにほんまに嬉しいから。








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「よしっ、ほんなら先生にさよならして？」


桐「大毅くん、また明日な？」


大「せんせー、またあした！」


桐「ん、ええ子やなぁ！ばいばい」


「ありがとうございました。失礼します」








遅くまで大毅の相手をしてくれた先生に挨拶をして、大毅の小さな手を握って外に出る。








大「のんちゃん、おなかすいた〜」


「パパもお腹空いたわ〜！帰ったらご飯作ろか！」


大「んっ！のんちゃんのごはん、すき！」








まだまだちょっと冷え込む3月やけど、大毅の元気さにあったまるわ。笑




二人っきりの生活も始まったばっかりやけど、Aに心配かけんように頑張っていこ！








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