のんとぼくの１００日間〔赤〕

14 _ はじまてのお見舞い ページ15

A side .








望くんから大毅を受け取ったら、寝ていたその身体がモゾモゾと動き出す。








「だいちゃん…… 起こしちゃった？」


大「……っ、Aちゃん」








いつもよりふんわりした喋り方だけど、私の姿を捉えるなり思いっきり抱きついてくる。




ごめんね、寂しかったね。








「だいちゃん。お熱、しんどいね」


大「ままっ……、」


「うん、ママ、ここにおるよ？会いに来てくれて、ありがとうね」


大「だいき……っ、ままに、あいたかった……」








.








強い子に育って欲しいと思うけど、まだまだ幼くて純粋な大毅。








きっとこんな可愛い時期もすぐに終わってしまうのかなって思うと寂しいけど、




だからこそ、今は存分に甘えさせてあげたい。








その熱い体をそっと抱きしめたら、まだ数日しか経ってないはずなのにすごく懐かしく感じて……








「だいちゃん。ママ、早く帰れるように頑張るから、もう少し待っててくれる？」


大「んぅ…………」








熱できっとよく分かってないだろうなあ。笑




そう思いながらも、なんとなく頷いてくれる大毅。








望「やっぱ、Aがおってくれな無理か……笑」


「そんなことないと思うよ？だいちゃん、寂しがったら今だけは甘えさせてあげて？」


望「そうやな。Aが戻ってくるまでは、多少甘やかしたるわ」








気づいたらそのまま腕の中で眠ってしまって、ずっしりと重さを感じる。








「だいちゃん、だいすきだよ」








なんだかいつもより、ずっとずっと我が子が愛おしく感じた。








.

15 _ はじめての思い出→←13 _ はじめての小児科

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す