もう1人の最強 (ページ48)

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48日目ページ48

時間になっても指定されていた場所に俺たちの姿がなく、心配になって呼びに来てくれた補助監督さんに半ば引き摺られるようにしてようやく任務に出発した。

まだ1年生と言うこともあり、2対2の二手に分かれて
任務を遂行することになった。

俺のお相手は硝子ちゃん。

俺が悟か傑のどっちかと組んでも良かったのだが、いつまでもあんな風に喧嘩をされ続けても困る。

ということもあり、この組み合わせになったようだ。

俺たちが任されたのは生存者の保護と呪霊の生き残りがいないかの確認。

向こうの2人に比べ、任務内容が軽いのは、戦いの最前線に立てない硝子ちゃんの事を夜蛾先生が配慮してくれたのだろう。

そんなことを考えつつも、呪霊の生き残りがいないか索敵する。

動物の鳴き声さえ聞こえない静かな空間の中、今まで口を開いていなかった硝子ちゃんが口を開く。

「…クズは五条と夏油だけだと思ってたけど、お前も大概だな。」

クズ、ね…。

『俺も別にいい子ちゃんじゃないからね。』

俺は一見、上の指示に忠順に従っているように見えるだろう。

まぁ、そんなもの演技のようなものに過ぎないが…。

『今はとりあえず、信頼度とかそういうものが必要なんだよ。さっきも言ったけど、俺たちはまだ無力だ。家の力だけじゃどうにかできない問題も今後出てくると思う。』

『その時に、自分たちが無力のせいで何も出来ませんでした〜。とかなったら嫌でしょ？そんなことにならないためにも、今のうちから力をつけないと…。』

本当に俺たちは無力だ。

家の力は強くとも、自身の力が強くなきゃ思うように動けない。

だったら、勝手な期待をしてくれている上に今だけ従って、ある程度力をつけた方がいいに決まってる。

「あんたもなかなかイカれてんね」

『…そんなの、今更でしょう？イカれてなきゃ呪術師なんて出来ないよ。』

そう言いながら、硝子ちゃんの背後から襲いかかる呪霊の攻撃を無効化し、祓う。

『任務完了』