23日目 ページ23
それから数時間後、父に招待されたであろう来賓の方々がチラホラと姿を現し始めた。
俺は父の隣につき、わざわざ足を運んでくださった来賓の方々をお出迎えする。
来賓の足が途絶え始めた時、心待ちにしていた瞬間が訪れた。
悟とご当主様が姿を表したのだ。
他の人とは少し対応を変え、少し軽く挨拶をする父とご当主様。
そんな2人を視界の端に入れながら、俺も悟と話したくて悟に目を向ける…も、すぐに顔を逸らされてしまった。
???
久々に会ったのに、なんで…なんて、言葉が頭の中を埋め尽くす。
悟にも何か事情があるのかもしれない…そう言い聞かせ、なんとか気持ちを切替える。
『父様、他の来賓の方々がお待ちですのでそろそろ…』
「ん?あぁ、そうだな。君たちも中へ入りなさい。」
「A、私達は後から行くからお前は悟様を先にご案内しなさい。」
『わかりました。』
俺の返答を聞き、すぐに2人はどこかに行ってしまった。
『…俺たちも、行きましょうか。』
自分でも冷めた目をしているのがわかった。
昔の癖で悟に手を差し伸べかけて、すぐに引いた。
昔は俺が悟の手を引いて行動することが多かった。
もう、そんな機会は訪れないんだろうな…そもそも、この会が終わったら悟と会うことすらなくなるかもしれない…なんて、ネガティブな事ばかりを考えてしまう。
もし、こういう状況にしたくて俺たちを会わせなかったのなら、その作戦は大成功だよ。
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作者名:楓さん x他1人 | 作成日時:2021年3月2日 16時