もう1人の最強 (ページ12)

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12日目ページ12

『行っちゃった…』

父様たちが出ていった扉をぽかんとした顔で見つめる。

『なんだったんだ…』
『ってそんなことはどうでもいいか…悟、大丈夫？』

先程涙を浮かべた悟を気にかけ声をかけるも返答は帰ってこなかった。

『悟…！？』

悟の方に目を向けると床に膝をつき、自身の小さな肩を抱き抱えるような形で震えている悟の姿が目に入った。

『ちょ…大丈夫！？』

そんな悟に急いで駆け寄り、抱きしめながら声をかける。

上手いこと声を出せないのか口をパクパクさせながら弱々しく俺に縋りついてくる。

口をパクパクさせていたのが次第に苦しそうな呼吸音へと変わっていく。

「ｳｯ…ｱｯﾋｭｰﾋｭｰ」

『悟、大丈夫だよ。俺の声聞いて？』
『俺に合わせて深呼吸して？無理に息を吸おうとしたらダメだよ。』

俺がそういうとゆっくりと深呼吸をする。

『ん、上手上手。』
『悟、大丈夫、大丈夫だからね。』

ーーーーー

「っ見、るなぁ」

いくらAが優しいからってこんな姿見たら離れてくに決まってる。

俺が思ってるいるより俺はAのことが大好きなようだった。

その証拠に、Aが離れていく未来を想像して自然と涙が出てくる。

「うっ…ふっ」

『悟…？』

「どうせお前も離れてくんだろ…！」
「こんな情けない姿を見てなんにも思わないわけない」

「どうせお前も俺から離れてくんだろ…」