。流星の絆。2 (ページ50)

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「ただいま…」

功一「おかえり」

遠慮がちに顔を覗かせながら言うと、おにぃは笑って出迎えてくれた。

功一「…カレー食うか?」

「うん」

いつもの席に座っておにぃがカレーを温める姿をただぼーっと見つめる。

功一「泰輔。帰った?」

「うん。今日はトリーミージョージに泊まるって言ってた」

トリーミージョージは泰にぃのバイト先のDVD屋さん。

まぁほとんど…アダルトなやつしか売ってないけどね。

功一「…何で知ってたんだ?」

お皿を拭いて私の方を見ずにいうおにぃ。

「…引っ越してくるときに…母子手帳見ちゃって」

手短にそういうとおにぃは深くため息をついた。

「いや、おにぃがいつか言ってくれるって思ってたから…それに…しずは知らないみたいだったし…」

功一「あ～ちがうちがう。…別に俺は怒ってるわけじゃないよ」

私が必死に言い訳を言ってることがわかったのか。

おにぃは優しくそういう。

「それに…私たちの兄妹っていう絆は…そんなことで切れないと思ったから」

おにぃの目を見ながらぽつぽつと呟くと…おにぃはまた嬉しそうに目を細めて笑った。

功一「そうだよな」

「うん」

この時…笑ってたおにぃの心の奥にあった想いに…

私は気づいてない。