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泰輔「なぁ兄貴…やっぱ警察に話そうぜ。俺もうぱくられてもいいや。詐欺なんてどうせ2,3年でしょ?兄貴の罪も被るからさ」
功一「…シーはどうなる?」
俺がそう聞くと…泰輔は視線を惑わせた。
功一「実行犯はあいつなんだぞ。シーとAだけは何があっても守らなければならない」
泰輔「…わかってるよ」
功一「それに今掴んでる状況だけじゃ警察は動かないよ。俺やお前たちはあのハヤシライスのレシピにどれだけの価値があるか知っている」
泰輔「実際、そのおかげでとがみ亭はでかくなったんだし」
功一「だけど警察は違う。ただのハヤシライスで事件は起こらない。遺族が勝手に立てた推論だって笑うに決まっている。だからもっとこう…客観的な証拠をつかむ。いや…掴ませるんだ」
泰輔「掴ませるって…警察に?」
功一「だからタレコミじゃだめなんだ。誰だって苦労して手に入れた証拠は信じようとする。
お前があの似顔絵をこだわってるように」
俺が小さくそういうと、泰輔は勢いよく立ち上がった。
泰輔「だからあれは戸神なんだって!!!」
功一「いや、別に疑ってるわけじゃねぇよ!でも俺見てねぇもん、実際に。
だからもっとこう…決定的な、誰の目から見ても明らかな、証拠を奴らに掴ませなきゃだめなんだよ」
泰輔「…わかった。そっちは兄貴に任せる。っで…どうすんの?」
功一「なにが」
泰輔「矢崎のこと。シーたちに話すんでしょ?」
功一「あぁ…」
行成「ごしゅじーん。ちょっといいですか?」
下からそんな声が聞こえ、苛立ったように椅子の肘置きを叩く。
行成「あ、できれば妹さんも…」
その声に"今あいつはいない"と声を上げようかと思うと、ｶﾞﾁｬりと扉が開いた。
「行くよ、私」
功一「聞こえてたのか…」
「うん。できれば妹さんもって」
髪をタオルで拭きながらそういって、俺の手を引いた。
功一「ちょっといってくるわ」
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作者名：ぽかぽか笑顔
| 作成日時：2017年12月11日 22時
