。流星の絆。2 (ページ35)

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泰輔「ただいま」

功一「おっせーよ泰輔。お前どこ行ってたんだよ」

泰輔「あぁ…ちょっと…なんだよ笑」

「…うむ…お酒は…飲んでない様子だね…」

泰にぃに顔を近づけて鼻をくんくんすると…うっすらと嗅いだことのない甘い香りがした。

でも、そんなとこを行ったにしては泰にぃの様子が楽しそうではない。

「…今回は許してあげるね」

ﾎﾞｿっとそういうと泰にぃは「ありがとう」なんて、

「…らしくない」

泰輔「それより今日どうだったの?戸神と会ってたんでしょ?」

功一「会いたくない、ってさ…」

泰輔「え…なんで。なんかされたの?」

泰にぃが心配した様子で聞くとふるふると首を横に振るしず。

泰輔「じゃあなんで…」

静奈「だって…あいついいやつなんだもん」

泰輔「はぁ?」

静奈「全然疑ってないんだよ?試食会で泣いたのだって本気で心配してたし…あんな苦し言い訳簡単に信じちゃって…なんか…可哀想っていうか…」

膝を抱えながらしずはぽつりぽつりとそういった。

功一「しっかりしろってシー!あいつは俺たちの仇の息子なんだぞ?同情してどうすんだよ?」

静奈「同情なんかしてないよ。だって…元々…お金とるために近づいたんだし…」

おにぃに言い訳するように…自分に言い聞かせるようにいうしずの言葉は徐々に小さくなっていく。

泰輔「あのさ…違うなら違うってすぐに言ってほしいんだけど…」

功一「何?」

泰輔「やっぱ警察の力借りた方がよくね?」

「泰にぃ…どうしたの急に…」

泰輔「いや…こないだはあんなこと言ったけど、やっぱ警察は捨てたもんじゃねぇっていうか。
そりゃ腹立つけど、14年もほっとかれてさ。だけど…少なくとも…柏原っていうやつは違うっていうか…動いてくれる気がする…っていうか…」

そういって…最後に泰にぃは頬を緩ませた。

私たちは兄弟だ。

…多分偶然もきっと重なることだって多い。

萩村さんがお店に来て柏原さんの話をしたとき…

きっと、柏原さんは泰にぃと一緒にいた。

そんな気が…する。