甲斐くんの彼女。2 (ページ9)

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甲斐「お前って馬鹿なんだな」

美術の宿題が終わり

柊が戻ってくるまでの美術室の留守番で、何故か今日返ってきたテストをお互い見せ合っていた。

「..でも甲斐くんに勝ってるし」

確かにほとんど赤点の俺とは何十点も違うが

甲斐「にしても低くね?」

半分以下のもあれば、赤点ギリギリのもある。

「これでもゆづちゃんに勝ったからいいの」

甲斐「それって諏訪唯月?」

クラスの奴らが騒いでたことを思い出す。

興味なくて交じりはしなかったが、そういえば石倉は楽しそうに入っていったな。

＿＿やっぱさ、1年の中で一番可愛いのって諏訪じゃね?

「って言ってもゆづちゃん、ちゃんと勉強すればできる子なんだけどね」

今回はノー勉って言ってたから。

不貞腐れたように言った。

テスト用紙に書かれてる女子特有の少し丸みを帯びた綺麗な字。

諏園 A

＿＿は、1年の中で1番可愛いのは諏園だって。

＿＿諏園Aだろ?あいつ入学当初から結構噂になってたもんな。

＿＿俺の部活の先輩も言ってた。仲良くなって紹介してくれ～って。

＿＿あー、無理無理。諏訪のガードが固すぎだから。

＿＿Cの里見って奴とは仲良いらしいけど..ほかの男子と仲良いのはあまり聞かないよな

「..どうかした?」

俺の顔を覗いてくる諏園。

甲斐「..おまえって彼氏とかいんの?」

「恋バナ?
えー。なんて答えたら面白いかな～」

甲斐「どうせスベるからやめとけ」

「うっさいな。
いないよ。ってか高校になって男友達も全然いないし」

甲斐「里見、って奴は?」

「里見?いやいや。
確かに話してて楽だけど..」

＿＿じゃあ俺は?

「え..?」

目をぱちぱちとさせる諏園。

..口にでてた?

「ふっ笑」

甲斐「何笑ってんだよ」

「いや、前も同じこと言われたなー、って」

懐かしむように諏園は笑った。

「甲斐くんももう友達でしょ?」