甲斐くんの彼女。2 (ページ42)

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茅野「夕飯取りに来ました..」

柊「そこ」

茅野と一緒に準備室を覗くと、先生は監視カメラの映像から目を離さずにダンボールを指した。

昨日みたいな豪華なご飯じゃなさそうだなぁ..

茅野「あー!!それ女子トイレの映像じゃないですか」

私も見てみると、確かに映っているのは女子トイレで。

「一颯くんサイテー」

柊「洗面所だけだ、静かにしろ」

軽く頭を叩かれた。

茅野「水越さんと結城さん、何してるんですか?」

気になったのか、茅野も隣に来てまじまじと画面を見つめる。

先生はスピーカーの音を大きくしてくれた。

水越「魁皇高校3年A組元水泳部の水越涼音です。
私は水泳部の顧問、坪井先生に執拗なセクハラとパワハラを受けました。
私に付き合っている男性がいると分かった途端、水泳の練習にすら参加させてもらえず、退部に追い込まれました。
きっと澪奈も同じ目に遭ったんだと思います。
フェイク動画を作ったのは、坪井先生に違いありません。

..その動画、マイボイに投稿しといて?」

撮影してくれた結城にそう言った涼音はトイレを出ようとする。

結城「ほんとにいいのかな..?」

水越「..きっと坪井は名乗り出ない。
だからネットを使って追い詰める。あいつが犯人だって認めなきゃ、私たち殺されるんだよ!?」

結城「そうだけど..」

水越「それ投稿したら..フォロワーも増えるし、話題にもなるよ?」

涼音のその言葉に、結城は嬉しそうな声を漏らした。

水越「それに..バラすよ。
マイボイにAの写真勝手に載せてたこと」

急に自分の名前が出て、びっくりした。

私..?

水越「..お願いね」

涼音は今度こそ本当にトイレから出ていった。

茅野「止めなくていいんですか?
それとも..坪井先生が犯人なんですか?
..先生はどこまで知ってるんですか?
澪奈を自殺に追い込んだ人間を知ってるんですか?」

柊「質問が多いな、1つに絞ってくれないか?」

茅野「じゃあ..先生の目的は犯人を捕まえることですか?」

柊「俺の目的は..その先にある」

「その先..」

眼鏡を外すと、先生は椅子から立ち上がった。

柊「夕飯はいいのか。みんな待ってるぞ」

私たちに背を向けて伸びをする先生の眼鏡をかけた茅野。

茅野「私は、先生を信じてますから」

じゃ、と私に向かって言うと茅野は皆の夜ご飯を持って出ていった。

置いてかれた..