甲斐くんの彼女。2 (ページ26)

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宇佐美「もうやめなって!!」

宇佐美の声はきっと聞こえてない。

「隼人!!瀬尾も落ち着いて!!」

"警察に保護してもらおう"

そう言った瀬尾を隼人が殴ったせいで始まった争い。

兵頭「どうやって残るって言うんだよ!!」

やっと石倉に離して貰えた兵頭が叫ぶ。

兵頭「相手は警察だぞ!!」

「先生はそんな警察相手にここまでやってきた。
なら今回だって..」

瀬尾「現実見ろよ!!
その頼みの先生は今、倒れてんだぞ!?」

西崎「..爆弾..」

皆の視線が西崎に向いた。

西崎「..ここには至る所に爆弾が仕掛けられてるんだよな?
だったらそれをｰｰ秋庭「ちょっと待ってよ!爆破させるってこと?」

「..そうだよ。それだよ、西崎!!
あんたいい事思いつくじゃん!!」

西崎の肩を揺らすと、堀部が呆れたように私と西崎を離した。

なんだ、嫉妬か。

花岡「流石にそれはやりすぎじゃない?」

逢沢「威嚇するだけだ!!」

花岡「でも..」

「今はそんないい子ちゃんな考えはいらないの。
文句しか言わないなら黙ってて」

花岡「何その言い方..」

宇佐美「あんた達はなんで喧嘩してんの」

「..触んないで」

睨み合う花岡と私に呆れたようにため息をつく宇佐美が、花岡の肩をぽんぽんと叩いた。

里見「先生のことで焦ってるのは分かるけど、落ち着け」

そんな私の言葉に怯まず、里見は私の目を見てはっきりと言った。

「..あんたに理解されたくない」

余裕そうに里見が笑ったのが分かった。

あぁ、もうホントこいつムカつく。

「..逢沢」

思ったより低い声に、逢沢の肩がビクついた。

「先生のパソコンがあれば、防犯カメラで相手の行動を探ることはできるよね？」

逢沢「うん。やってみる」

瀬尾「ふざけんなｯ!」

パソコンを操作しようとした逢沢が止まった。

瀬尾「今爆破なんてされたら、威嚇だろうがなんだろうが俺らも共犯になっちまうぞ!?
これでスポーツ推薦がパァになったら誰が責任とってくれんだよ!!
こんなことで人生台無しにしたくねぇんだよ!!

よく考えろ!!」

"共犯"

その重みがみんなの決断を揺るがせた。

瀬尾を止めようとした里見の胸ぐらを掴む瀬尾。

瀬尾「お前らだってな、今は正義感に駆られてんのかもしれねぇけど、後で絶対後悔するぞ!!」

後悔..?

その後悔をなくすために..今私達は人質なんじゃないの?