甲斐くんの彼女。2 (ページ23)

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Suwa.side

諏訪「..1人になれる場所もねぇのかよ」

わざわざブッキーに膝枕してるAだけかと思った教室には、茅野もいた。

「唯月..」

諏訪「私は何も知らないから」

何か言われる前に。

..あんたがこの真実を知って、離れないように。

私は強く言い放つと、Aは困ったように笑った。

諏訪「..美術室」

茅野「え?」

反応した茅野に"あんたじゃない"という視線を送れば、茅野は気まずそうに視線を前に向けた。

諏訪「早く行った方がいいんじゃない?」

「なんで?」

諏訪「..誰が残るかどうか喧嘩してるだろうから」

当てずっぽうだ、こんなの。

でもAは少し焦った様に視線を動かしたあと、茅野の名前を呼ぶ。

「..先生のこと任せたからね」

ブッキーに影響がないように、ゆっくりとブッキーを床に寝かせるとパタパタと教室を出ていった。

そのせいで..また気まずい空気が流れる。

諏訪「ブッキー..長くないらしいよ」

茅野「え?」

"私?"な茅野に答えずに、そのまま話を続ける。

諏訪「病気だって。もうすぐ死ぬみたい」

茅野「嘘..そ、それ諏園さんは..」

諏訪「馬鹿だよね。病院で大人しくしてたらもう少し長生きできてたのに。
..Aともう少し長くいられたのに」

そんなことぐらいすぐ気づくっつうの。

あの子は必死に隠してるつもりだろうけど。

諏訪「澪奈の死を暴くためって言ってるけどやってる事犯罪じゃん!
犯罪者が偉そうに..!」

茅野「..私は救われたよ..先生に。
澪奈があんなことになって、私は生きた心地がしなくて、ずっと時が止まったままだった。
もし先生が澪奈のことに触れてくれなかったら、一生引きずってたと思う」

こいつの気持ちは..Aと一緒なんだろう。

何も出来なかった。

そう嘆くAと。