深紅の物語 (ページ45)

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エピローグページ45

「リヴェルタ、もう一度相手を頼む。無理しない程度に。」

少年は、酸素マスクをした少女にいう。

「そんなに根を詰めすぎては…。」

少女が、心配そうな表情でいう。

「俺は、もっと強くなりたいんだ。」

「なぜ、強さを求めるのです？」

赤ん坊がなく。

きっと、亡きレ・ヴュートの子供の鳴き声だろう。

「もう、大切な人を失わないように。今度こそ、守れるように。」

あれから200年後、イース・リヴェルタ、コウ・クルススは、遠くにいたレ・ヴュートと再び合流し、ともに復活したソルシエールとったたかった。

レ・ヴュートには、子供がいた。

夫は、子供が生まれた直後、ソルシエールの呪いにより、死んでしまった。

レ・ヴュートは、イース・リヴェルタらとともにソルシエールと戦ったが、途中、志半ばで命を落とした。

イース・リヴェルタらは、レ・ヴュートの子供を引き取り、今ここで静かに暮らしている。

「私たちだけが、残ってしまいましたし…。」

イース・リヴェルタが呟く。

魔法使いは、寿命が人間と変わらない。

しかし、今は亡きハーデンベルギアが作り上げた国は、ハーデンベルギア自身も気づかなかった彼女自身の魔法の力では時間の流れが周りと比較してはるかに遅い。

病気や怪我さえしなければ、寿命が来るまでは長く生きていけるのだ。

しかし、イース・リヴェルタの結核は、着実に進行し、前よりも高い頻度で喀血をしている。

そんな中で、彼は頼んでいるのだ。

「わかりました。お相手します。」

イース・リヴェルタは矛を構える。

「勝負です。」

ーーーーーーこれは、多くの血を流しながらも生きた男女の、深紅の物語。