深紅の物語 (ページ12)

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少年二人ページ12

二人は、別室で待っていた。

だが、お互いどうも信用という関係にはなっていない。

「飲み物は、いかがですか。」

コウ・クルススが親切心でそういえば、

「いや、結構です。」

と、断る。

毒が入っているのを懸念しているのだろう

空気が非常にぎくしゃくしているのを感じながら、コウ・クルススは、自分のコーヒーだけを入れて席に座る。

ウィステリア・レインは、部屋に突っ立っている。

「お座りになられては。」

コウ・クルススが言っても、

「結構です。」

と、断る。

コウ・クルススは、深く考えるのをやめて、静かに本を読むことにした。

しかし、ウィステリア・レインは、その場に立っているものだから、やりにくくて仕方がない。

やがて、零が、話を終えて帰ってきた。

「ただいま戻りました。ウィスト。」

「おかえり。零。」

こういう時は優しいらしい。

もしかしたら、夫婦の仲なのかもしれない。

「では、これで失礼する。」

コウ・クルススには、少し冷たげな言葉を放つ。

しかし、これでわかった。

彼は、疑うべき人ではないことを。

自分から歩み寄れば、きっと仲良くなれるはず？

コウ・クルススは、不器用な方だったので、詳しくはわからないが…。