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episode97 ページ7

扉の前の守衛さんに要件を告げると、インフォメーションカウンター的なところに連れていかれ(多分違うけど)、綺麗なお姉さんが電話で高木刑事を呼び出してくれた。

現れた高木刑事は、私を見ると途端に気の毒そうな顔で「大変だったね」と優しく言った。
この純粋無垢さを赤井さんにも分けてあげてほしい。

高木刑事が歩きにくい私を手伝ってくれ、小さな会議室のような場所に通された。
すぐにお茶と和菓子が用意されて、なんだかここが警視庁だと言うことを忘れそうになる。


「さて、じゃあさっそく事件のことを聞こうかな。まあ、世良さんから一通り聞いたんだけど、もう一度矛盾がないか確かめたいからね」

そこで私は、世良ちゃんから二年前、杯戸町でトラックに轢かれて亡くなった女の子の話と、そのトラックの運転手の霊の話を聞いたこと、一緒にお化けを見に行こうとしたこと、そこで脱税現場に遭遇したこと、犯人に見つかってあやうく口封じされそうだったことを、淡々と話した。

高木刑事は時々メモを取りながら、私の話を最後まで聴き終えて、「なるほどね」とうなずいた。


「世良さんの供述と大差ないね。違うのは一発目に発砲された後のことだけど…」

「世良ちゃんは、犯人に助けてもらったって……本当なんですか?」

「そこが今回の事件で一番謎なところなんだよなぁ」


高木刑事が首をかしげる。


「ミズシマが私を追っている間、タナベって人が世良ちゃんを逃がしてくれてたってことでしょ? タナベさん、まだ行方知れずなんですか?」

高木刑事が、それなんだけど、と言葉を濁す。


「なんですかなんですか!?」

「こ、これはまだ秘密事項で…明日発表の予定だから…」

高木刑事がしまったという顔で焦り出したが、時すでに遅し。
こんな面白そうな展開、この私が見逃すはずがあろうか。


「どうせ明日発表ならいいじゃないですか〜! 誰にも言いませんから!」

「そういう問題じゃないんだけどなぁ…」

「教えてくれたら、佐藤さんと遊園地行けますよ?」

「え、どういうこと?」

私はおそるおそると言うように尋ねる高木刑事に、財布から薄い紙を二枚取り出してひらひらと振った。

「ドリームネズミランドのペアチケットです。ナイトクルージング付きスペシャルチケットですよ?」

「な、なんでそんなもの持ってるんだよ…」

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やっち(プロフ) - 更新お待ちしてます (2022年4月22日 11時) (レス) @page23 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
みー - 主人公ちゃんも赤井さんも魅力的で何度も読み返しちゃいます、、いつかまた戻って更新されてるの楽しみにしてますね! (2021年8月31日 20時) (レス) id: fa7939d4a9 (このIDを非表示/違反報告)
S(プロフ) - 面白かったです。更新楽しみにしています!!! (2021年6月2日 2時) (レス) id: 3c947ce476 (このIDを非表示/違反報告)
ふわ - めっちゃくちゃおもしろかったです! (2021年4月23日 17時) (レス) id: 1d6a9bd8f3 (このIDを非表示/違反報告)
キサキ(プロフ) - 面白くて何度も戻ってきて読んじゃいます、更新お待ちしております頑張ってください!!! (2020年10月20日 10時) (レス) id: a8bb3b0a09 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:海星 | 作成日時:2019年9月30日 12時

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