守ってください赤井さん！！！3【名探偵コナン】

episode107 ページ17

赤井さんは、最近わたしにとても過保護である。

とくに車での一件があってから、それがより顕著になっている気がする。
足の骨折もだいぶよくなって、ゆっくりなら自分で歩けるようになったのだが、未だ登下校は完全お迎え制。
どこに行くにも行き先を聞かれ、蘭ちゃん、園子ちゃん、世良ちゃん以外の人と遊ぶのは原則禁止。赤井さんいわく、


「お前はもともと黒の組織から逃れるために俺のところに来たんだろう。むやみやたらに外出するな」


とのことらしい。いまさら？ って感じなんだけど、逆らうと皆様ご存知の通りめんどうなので、黙ってうなずいておいた。

ちなみ安室さんと関わることも、ほとんど厳禁でポアロに寄り道した日は、なぜか数十分後には沖矢昴に扮した赤井さんが店にやってきて、「帰りますよ」と車に連れて行かれる。

多分、携帯にGPSか何かを仕込んでいるのだろう。怖いけど、赤井さんに逆らうのはもっと怖いので、それも黙って気がつかないふりをしている。


そんなこんなで、赤井さんの過保護っぷりにウンザリしかけていたある日の午後。
久しぶりに仕事だから、と言って朝早くから屋敷を出て行った赤井さんを良いことに、私も外出することにした。
GPSの関係で、携帯は家に置いておく。


一人でぶらぶらと駅の方に向かって歩いていたら、見覚えのある懐かしいシルエットを発見して、思わず駆け寄った。


「へーい！ 怪盗〜！！！」

「うわぁ！！！？ って……なんだお前かよ」


後ろから抱きつくと、びくりと肩を震わせる。そんな隙だらけで怪盗がよくつとまるな……。


「お前かよって何よぅ！ 久しぶりだね！」

「相変わらずなのな、お前……まだ殺されてねえみたいで安心したぜ」

「殺されませんんん！！ まあ、前はちょっと危なかったけど」


危なかった？ と聞き返してくる快斗に、世良ちゃんと脱税現場を目撃し、あやうく口封じされそうになったことを話すと、生暖かい目を向けられた。


「メータンテーも大概たけど、お前も完全に事件吸引機じゃねえか」

「うるさいな！ てかメータンテーって誰？」

それには答えずに、「ちょうどいいところに来た」とだけ言って、快斗は私の手を掴むと、なぜかずるずる引きずっていく。
どこ行くの、と尋ねても何も言ってくれない。

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