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episode102 ページ12

もちろん、そのときミズシマには、本気でターゲットを殺すつもりなどなかっただろう。ただの『遊び』のつもりだった。

そのはずだった。


「だが、暗い夜道で狭い道路だ。ミズシマは運転をあやまった。
三宅雪子は轢き殺された」


私は息を飲む。
暗い夜道で、背後からトラックに襲われたのは、実は女子高生ではなかった。三宅雪子だったのだ。


「ミズシマはパニックになっただろう。轢いた女は、かつての恋人の三宅雪子だったんだからな。しかし、そこでリリカが囁く」


私に任せてくれたら、ぜーんぶ、なかったことにしてあげるよ、と。

それどころか、もっと旨い餌を、ミズシマの前に吊り下げる。


「協力してれたなら、脱税するのにいい隠れ家を用意できる、と」

「で、でもどうやったら、そんなことできるの?
事件をなかったことにするなんて…」

「死体を、入れ替えるのさ」

「え?」


赤井さんは初めて私の方を向いて、少しニヤリと笑った。


「いや実際は、殺された人間を入れ替えると言った方がいいかもしれんな。

三宅雪子がいなくなっても、彼女のことを心配する人間はいない。
つまり彼女が失踪したところで、誰も気がつかないということだ。

リリカはそれを知っていた。そしてそれを利用したんだ」


殺された人間を、入れ替える____


「殺されたのは、三宅雪子ではなく、リリカの方だと思わせた。自分は失踪し、家の前に轢かれた女が倒れていたら。その女が背格好が、失踪した娘とそっくりだったら。
家族は当然、リリカが死んだと思うだろう。だが実際それは三宅雪子で、リリカは生きていた。
家族はショックで家を引き払い、住宅街から離れたひっそりした一軒家だけが、残った」

「ちょ、ちょっと待って!! 娘が死んだからって、家族が家を売り払う確証なんてないんじゃないの!?」

「まあそうだな。だが、例えば、娘が死んですぐ、家の近くに幽霊が現れるようになったとしたら?」

幽霊が、現れる…?

「おかしいと思わないか? どうしてここ最近になって、急激に幽霊の噂が広まったのか。そんな場所になら、物好きな近所の住人が、君や真純がしたように、家を見に来てもおかしくない。

でもあの家には、誰も寄り付かない。
奇妙じゃないか?」





それは……たしかに、よく考えてみればそうかもしれない。


私は考え込む。
赤井さんはそれを見て、さらに続ける。

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やっち(プロフ) - 更新お待ちしてます (2022年4月22日 11時) (レス) @page23 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
みー - 主人公ちゃんも赤井さんも魅力的で何度も読み返しちゃいます、、いつかまた戻って更新されてるの楽しみにしてますね! (2021年8月31日 20時) (レス) id: fa7939d4a9 (このIDを非表示/違反報告)
S(プロフ) - 面白かったです。更新楽しみにしています!!! (2021年6月2日 2時) (レス) id: 3c947ce476 (このIDを非表示/違反報告)
ふわ - めっちゃくちゃおもしろかったです! (2021年4月23日 17時) (レス) id: 1d6a9bd8f3 (このIDを非表示/違反報告)
キサキ(プロフ) - 面白くて何度も戻ってきて読んじゃいます、更新お待ちしております頑張ってください!!! (2020年10月20日 10時) (レス) id: a8bb3b0a09 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:海星 | 作成日時:2019年9月30日 12時

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