26話 カラコロ。空回り ページ26
✲*ﾟ
頼れなくて、ごめん。
そんな一言は白い病室に消えてった。濡れている弟の瞳は幼い頃2人で行った海に似ていた
空に染められた海は信じられないくらい綺麗で9歳の弟は私の手を握りしめニカリと笑った
kn「ねーちゃんすごいなこれ！！」
『うんうん、せやなぁ…』
死ぬつもりだった。
今となってはバカバカしいが些細な辛さが積もって弟に内緒で死ぬつもりだったのだ
平日の朝だった。無駄に大きな家に弟1人残して玄関を出た。
朝は何だか白くて光っていて眩しかった
自分のあるだけのお金をシッマのために作られていた通帳に全て入れて机の棚に入れた。遺品整理ぐらいはしてくれると信じて
『(ごめん、ごめんシッマ、ごめんなぁｯ)』
.
kn「どこいくん、ねーちゃん…？」
パジャマ姿のシッマが、父親の大きなクロックスを引きずるように履いて追ってきた
起きたばかりだったのだろうまだぱっちりしていない目が瞬きを繰り返し、制服など着ていない私をようやく確認した
その大きな瞳が大きく開かれた
その小さな手が縋るようにこちらに伸びてきた
kn「ｯね、ちゃんｯ…い、かんといてよｵ…お、いていかんとってｯ…」
手ぶらで、自分でも分かるくらい目が死んでいたと思う
何をしに、どこに行くのか。分かったのか
その頃からだったかな。私がしっかりしなくては、この子は1人になってしまう
そのボロボロ溢れる涙を拭えなかった後悔がある
全てを無視して、投げやりにした自分がいる
縛り付ける義務教育を休んで海に行ったあの日、地獄のように広い広い空色は確かに綺麗だったのに残酷な程私のちっぽけさを物語る
弟の邪魔な存在だと認知して、勝手に怖がり空回り
何一つ、今この状況と変わらない
(可哀想な奴と思い込んで結局全部押し付ける？)
(逃げるな。いかないで、と言ってくれる事がどれだけ幸せか)
(己のその身で痛感しろ)
27話 うらうら。おもて→←25話 ねぇねぇ。まだいかないで
ラッキーカラー
あずきいろ
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れい - 続編が公開されていますが、こちらでコメントします。イラストが凄すぎたので！占ツクで見た絵の中で、最高です！小説も絵も上手とか神ですわ() (2022年5月22日 9時) (
レス) @page31 id: c6bb2f889c (このIDを非表示/違反報告)
にた - 更新ありがとうございます！！！今回もすごく面白かったです！！！本当にありがとうございます！！！！！ (2022年1月16日 11時) (レス) @page42 id: 1488c03ef9 (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - やったー！！！更新されてるぅぅ！！ありがとうございます！待ってました！ (2022年1月15日 19時) (レス) @page42 id: 01548bf821 (このIDを非表示/違反報告)
Moshita(プロフ) - 何回も読むぐらいこの作品が大好きです！いつか続きが出る日までいくらでも読み返します！ (2021年9月15日 12時) (レス) id: 3e1a8a6779 (このIDを非表示/違反報告)
空猫 - 全部の作品読んでます！！もう大好きです！またいつか続きを出してくれると嬉しいです！ (2021年7月1日 18時) (レス) id: 0925ca16ed (このIDを非表示/違反報告)
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