【wrwrd!】空色の姉。【kn】

23話 ペタペタ。傷は塞いでしまおう ページ23

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kn「ねーちゃん」







ぼんやりと外の景色を見てる姉。
陽の光は髪を通して、空色の瞳は透き通り俺をまっすぐと写す




『シッマ、おはよう』





鈴を転がしたような声


無機質な表情から、俺を呼ぶと綻ぶ顔


すべてが綺麗で、儚くて、消え入りそうな







耐えられなくて俺は隣に腰を降ろした




『シッマ、頭いたい…？』









相変わらず、心でも読めるのかと問いたいぐらいだ



2〜3週間に1回くる頭痛

子どもの頃は痛くて寝れない程だったが、今はさすがにそこまで大袈裟にはしない。少し我慢すればなんともない


顔にだって出ていないはずだったのに







kn「…ふはっなんで気付いたん？」







つい笑えてきて、ねーちゃんに身体を預ける




小さい頃から代わらない、あたりまえか、今のねーちゃんの記憶は俺が小さい頃のそれだ


ちょうどズキズキと痛んでいたところを撫でられる

心地よくて、やさしい手





『くすり、取ってくる((kn「いかんでええ」


立ち上がろうとしたねーちゃんを反射的にとめた

手当優先のところは今も昔も変わってない



『シッマ、痛いんやろ…？寝とっていいから薬取りに行かせて…？』



大袈裟で、心配性なねーちゃんが戻ってきてる

前はこのぐらいの傷や頭痛ではそんな顔を青ざめたりしなかった

戦争の多い国の姫君。肝も座ってきていたから。





kn「…治ったら、ここに来る口実、なくなってまう」





本音、なのかもしれない

俺はかわったねーちゃんを支えたいだけで

でも優しさなんて心はとうに落としてきてしまった



恥ずかしい、情けねぇなぁ俺









『……ここ、広くて、寂しい時があるの。もし、シッマがいいのなら






…私に、会いに来てほしいなぁ』









(いつも欲しい言葉をくれる)








(あぁ、もちろん、よろこんで)

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あずきいろ

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